【人物図鑑】イタリア人シェフによる本場のパスタやワイン、伝統料理で本物のイタリアを味わう

【画像】イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』 代表 ジョバンナ・プレバーニ

イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』
代表
ジョバンナ・プレバーニ

【画像】イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』 代表 ジョバンナ・プレバーニ
イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』
代表
ジョバンナ・プレバーニ

【ジョバンナ・プレバーニ】

1970年生、イタリア・ミラノ出身。大学卒業後、大手企業にエンジニアとして就職後、プライスウォーターハウスクーパースに入社。イタリアに勤務した後、 2003年にロンドンへ転勤。2010年、スイス本社のネスレに転職して4年間勤務。2014年に自分自身の経営コンサルティング会社をロンドンに設立。2002年ごろから毎年複数回、来日して日本語や日本文化を学ぶ。2014年に福岡市内でホームステイした後、福岡市内にセカンドハウスを購入。2022年4月、福岡市内にkurideliを設立。同年7月イタリア料理店『TIPICO (ティピコ)』を福岡市中央区平尾にオープンさせる。

【3Points of Key Person】

福岡市・平尾にある〝典型的〟なイタリアの食文化を味わえる飲食店
◎ イタリア・ミラノ出身、外資系コンサルでの海外勤務を経て福岡移住
◎ 本物のイタリア食文化やライフスタイル、ラテン気質を広めていく

イタリア人の典型的な日々を体験できる〝実験場〟

【画像】イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』 代表 ジョバンナ・プレバーニ

イタリア人オーナーシェフの、本場・イタリアのパスタや伝統料理、イタリア産ワインやチーズなどによる、本物を味わいたい人たちのためのお店が福岡市・平尾にある━━。
「山荘通り」の名称でも知られる県道555号沿い、福岡銀行平尾支店のはす向いに小さくてスタイリッシュなイタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』が店を構える。

「お昼は手づくりパスタの日替わりランチをイタリアンスタイルで提供している。夜はイタリア産ワインをはじめチーズや伝統料理を小皿で堪能いただける」
流ちょうな日本語で語り掛けるオーナーシェフのジョバンナ・プレバーニ代表は、イタリア北部にある世界的なファッション都市であるミラノ出身だ。

店名である『TIPICO』とは、「典型的」を意味するイタリア語となる。
「食文化をはじめ音楽や笑いなども含めた陽気なイタリア人の典型的なライフスタイルを体験できる〝場〟を提供しており、〝本物のイタリア〟を味わってほしい」「私自身、いろいろなことに挑戦していく上での〝実験〟の場であり、ラボラトリーともいえるお店になっている」
ジョバンナ代表は、屈託のない笑顔をみせる。
店舗デザインや内装工事などについてもジョバンナ代表自身が、友人らと一緒に大工仕事で汗を流して仕上げただけにお店への思い入れもひとしおだ。

「実はイタリア料理といわれるような統一した料理は無く、各地でパスタの味やソース、チーズなど食材も違っており、実に個性豊かだ」と語るジョバンナ代表は、「日本人はパスタ好きでピザ好きだが、日本にあるイタリアンレストランの多くは日本風の味付けだ。TIPICOではミラノをはじめとする北部イタリアの伝統的な家庭料理を本格的に味わっていただける」と、にこやかな表情で語る。
現代イタリアにおける料理のルーツは古く、古代ローマ帝国にまでさかのぼる。南北に長いイタリアでは、地理的に多様な地域性のある国だ。
歴史的にも19世紀後半のイタリア王国による統一まで数多くの独立国家が存在していた。このため、各独立国や各地域において独自の料理や食文化が受け継がれていたという経緯がある。

世界を飛び回り、日本好きが高じて福岡移住を決断

【画像】イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』 代表 ジョバンナ・プレバーニ

なぜ本格的なイタリア料理店が、福岡市・平尾に誕生したのか?

この点については、イタリアで生まれ育ち、スイスやイギリスを拠点に世界各地を飛び回り、日本好きが高じて来日を重ねたジョバンナ代表の足跡が大きい。

イタリア・ミラノ出身のジョバンナ代表は大学卒業後、大企業でエンジニアとして働き始めた。その後、ロンドンを拠点とする世界的な経営コンサルティング会社であるプライスウォーターハウスクーパースへ転職した。
当初はイタリア勤務だった後、本拠地であるロンドンへ転勤して、ヨーロッパ大陸やアフリカ大陸を駆け巡った。そして、スイスに本社を構える世界最大の食品・飲料会社であるネスレに転じた。4年間、スイスに勤務した後、ジョバンナ代表は自らの経営コンサルティング会社をロンドンに設立した。

「日本の雪は、パウダースノーで本当に素晴らしかった」
2000年頃、友人に誘われて初めて日本を訪れたジョバンナ代表は、世界遺産である白川郷の合掌造り集落に足を踏み入れ、さらに豪雪地帯である富山などを旅した。
スキーが盛んな北イタリア出身であり、シーズン中の週末は雪山へ通ったジョバンナ代表は、雪質の素晴らしさに加えて、「日本は、面白い国だ」と一気に魅了された。
その後、経営コンサルティングで請け負うプロジェクト間の長期休暇を利用して毎年複数回、来日して北海道から沖縄まで訪ね歩いた。
この間、京都に3カ月滞在して日本語や日本文化を学んだ。また、東日本大震災に際しては、被災地において約1カ月間のボランティア活動も経験した。

すっかり日本好きになったジョバンナ代表は2014年、福岡市内でのホームステイで福岡のとりことなる。
そして、福岡市・平尾にセカンドハウスを購入。ロンドンをビジネスと生活の拠点とするジョバンナ代表は日本での拠点に福岡市を選んだ。
「ロンドンに比べて、福岡の物価や住宅価格がはるかに安く、とても住みやすい都市だ。福岡は大都市にも関わらず、自然が豊かで食べ物も大変おいしかった。そして、何よりも陽気で新しい物好きな上にオープンマインドのラテン気質をもつ福岡人は、魅力的である」と、ジョバンナ代表は目を細める。

その後に直面した新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行に際して、ジョバンナ代表は、「今後、コロナ禍が続いた場合、世界中で一番安全な国は日本であり、福岡への移住を決めた」ことを明かす。
この間、経営コンサルタントとして働く傍ら、ミシュランの星付きレストランでも修行した経験をもつジョバンナ代表は、福岡での開店準備に追われることになる。
そして、運営会社としての『kurideli』の設立などの起業準備に奮闘した末、2022年7月に『TIPICO』を開店させた。

本物のイタリア食文化やライフスタイルを伝導する

【画像】イタリア料理店『TIPICO(ティピコ)』 代表 ジョバンナ・プレバーニ

「お店のセンターテーブルで偶然居合わせたお客さん同士が仲良くなり、飲みながら食べながら楽しそうな会話をしている姿をみるのは本当に嬉しい。まるでパーティーみたいで、ここは〝イタリアン屋台〟といえるかもしれない」
お店の厨房で祖母直伝による北イタリアの伝統的な料理に腕を振るうジョバンナ代表は目尻を下げる。

開店に際して、経営コンサルタントとして事業計画を策定したジョバンナ代表は、「人材を育成していくことで2店舗目、3店舗目の出店も可能になり、イタリアの本物の食文化とライフスタイルをもっと広めることができる」との思いを膨らませる。
昨今の人手不足の状況下、カギを握る人材募集についてジョバンナ代表は、「北イタリアはスローフードの発祥地であり、イタリア食文化やライフスタイルを勉強したい人や興味のある方は気軽に訪ねて来てほしい」とのメッセージを発する。

DATA

名 称:『TIPICO (ティピコ)』(運営会社kurideli)
住 所:福岡市中央平尾4-4-10
創 業:2022年7月
代表者:代表 ジョバンナ・プレバーニ
事 業:飲食店経営、食材輸入、経営コンサルティング業
URLhttps://kurideli.com/

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