【人物図鑑】ランチェスター法則は〝弱者〟企業の経営者にとって強力な〝武器〟となる

【画像】竹田陽一@ふくおか人物図鑑

ランチェスター経営株式会社 代表取締役
竹田陽一

【画像】竹田陽一@ふくおか人物図鑑
ランチェスター経営 代表取締役
竹田陽一

【たけだ・よういち】
福岡県久留米市出身、1938年10月2日生。福岡県立明善高校卒~福岡大学経済学部卒。旧国鉄職員だった父親の転勤で佐賀県唐津市、佐賀県鳥栖市、福岡県宝珠山村へと移り住んだ後、福岡県久留米市で落ち着いて育った。福岡県立明善高校~福岡大学経済学部室。建材メーカーに入社して 経理を3年、営業を3年経験した後に数社の転職した後、企業調査会社の東京商工リサーチに入社。中小企業の信用調査と倒産会社の取材を16年間担当して、倒産企業の取材件数は1600社。営業面で入社3年目に九州1位、5年目で全国1位となる。1973年7月に博多駅前で開催された講演会でランチェスター法則と出会う。1983年に独立してランチェスター経営を創業。創業後、著書のヒットもあって、全国を講演で飛び回る。これまでの講演回数は4300回。ランチェスター法則を経営の8大構成要因に応用した経営学習教材を開発して、テープ・CDで約250巻、ビデオ・DVDで200巻強を数える。

【3Points of Key Person】

◎ランチェスター法則を応用した経営教材をフルラインで開発・販売
◎東京商工リサーチでの〝伝説〟の社員時代にランチェスターと出会う
◎現地へ創始者を墓参し、原書を復刻したランチェスターの〝正統派〟

ランチェスター法則が明らかにした強者の戦略と弱者の戦略

「天は自ら行動しない者に救いの手をさしのべない」(シェイクスピア)――

中小企業庁が2018年11月30日に発表した中小企業・小規模事業者数の集計結果によると2016年6月時点における日本の企業数・小規模事業者は358万9000社・者だった。このうちの99.7%が中小企業・小規模事業者となっている。
「日本の会社のうち、従業員100人以下が98%も占めているにも関わらず、このような会社規模の経営者を対象とした戦略教材が無かった。従来、ビジネス書や講演会、CD・DVDなどで扱われている経営戦略の内容は大企業向け、あるいは特別な条件を満たした市場占有率1位の会社だけが使える『強者の戦略』だった」と、『ランチェスター法則』を応用した経営教材をフルラインで開発・販売するランチェスター経営株式会社の竹田陽一代表取締役は指摘する。

ランチェスター法則とは、英国人のフレデリック・W・ランチェスター(1868~1946)が第1次世界大戦の勃発間もない1914年10月2日に発表した戦闘の法則だ。
ランチェスター法則によって、兵士が同数でも兵器や戦場の選び方次第で結果が大きく変わってくることが明らかになった。
双方の武器性能と兵士技能が等しく、刀や槍などで狭い戦場で戦う〝接近戦・一騎打戦〟の場合、ランチェスターの第1法則《攻撃力=兵力数×武器性能》によって、攻撃力は兵力数に比例する。
一方、小銃や機関銃など射程距離の長い兵器を用いて広い戦場で戦う〝間隔戦・確率戦〟の場合、ランチェスターの第2法則《攻撃力=兵力数の二乗×武器性能》によって、攻撃力は兵士数の二乗に比例するのだ。

「ランチェスターの法則は本来、戦闘の法則だったが、競争の法則に置き換えて日本で企業経営に応用していくことで意外な発展をみせた。市場占有率1位の企業は『強者』であり、ランチェスターの第2法則による二乗効果を生かした企業経営をすべきである。一方、同2位以下のすべて企業は『弱者』であり、ランチェスターの第1法則に基づく接近戦や1対1の白兵戦などを繰り広げる『弱者の戦略』で戦うことが大切だ」と、竹田代表は解説する。

従業員100人以下の企業経営者向けにフルライン教材を開発

最初、竹田代表が入社した建材メーカーでの配属先は経理だった。経理の素人だった竹田代表は終業後、夜間学校に通って経理業務を身に付けた。
入社4年目に営業部門へ異動となり、営業未体験の竹田代表がとまどいと失意の中で手にしたのが、フランク・ベドガー著『私はどうして販売外交に成功したか』だった。
同書をベースにして、竹田代表は、持ち前の研究心で営業の体系化や効率化に取り組んだ。その後、転職を繰り返して挫折を味わった後、東京商工リサーチに入社した竹田代表は中小企業の信用調査や倒産取材を手掛ける。

在社16年間での倒産取材件数は1600社におよぶ。営業面では入社3年目に九州1位、同5年目に全国1位に輝いて、〝伝説〟の社員となった。
ランチェスター法則と出会いのは全国一となった1973年7月。ランチェスター法則を基づく販売戦略を提唱していた田岡信夫氏による講演会に参加したのがきっかけだった。
物理好きの竹田代表にとっては、「ランチェスター法則が、アインシュタインの『質量とエネルギーの等価性』関係式である《 E=mc2 》との共通点もあって、大いに親しみを覚えて、気に入った」と、目を細める。
以後、ランチェスター法則を応用した市場占有率の原理・原則をはじめとする経営戦略の研究に取り掛かった。そして、1人あたりの経常利益が、市場占有率の二乗や自己資本比率の二乗が一定の範囲内で相関するという〝竹田理論〟も発見した。

独立開業したのはランチェスター法則と出会って10年目、竹田代表が44歳のときだった。創業時に刊行した『1枚のはがきで売上げを伸ばす法』が21万部販売という一大ベストセラーになった。
そして、全国各地の講演会に講師として呼ばれて、年間300回登壇するなど、竹田代表は東奔西走の日々を送った。
その一方で自分自身の考えでランチェスター法則に基づく経営戦略を構築したいとの思いが高まった竹田代表は、「ランチェスター法則と出会って約20年になる1992年から4年半かけて、経営の8大構成要因を従業員100人以下の会社の経営者向けにテープやCDの音声教材、ビデオやDVDの映像教材のフルライン化を実現した」。現在、テープ・CDで約250巻、ビデオ・DVDで200巻強を数える。

ランチェスターの〝信徒〟として〝教祖〟墓参を実現

自らの生涯における転換点として、ランチェスター法則との出会いを挙げる竹田代表にとっての人生最大の思い出は、故ランチェスター氏の墓参りだった。
独立3年目に初めてイギリスを訪ねて、情報ゼロの状態で故ランチェスター氏の墓地を捜し歩いたものの、結果的に空振りに終わった。
その後、ランチェスター研究者であるコベントリー大学の図書館長だったジョンフレッチャーの協力も得て、1987年に念願を成就させた竹田代表は、「ランチェスター先生のお墓参りができて、本当に感無量だった」と感慨深げに語る。
訪英で縁あってランチェスター氏が生前に著した原書『戦闘における航空機~4番目の兵器の幕開け~』を入手した竹田代表は復刻版の発行も実現した。これまで墓参のため、7度渡英した。

かつてドラッガーは19世紀から20世紀における革命の一つとして教科書の誕生を挙げ、教科書の効用として以前の教科書が無かった時代に比べて約3倍の効果があると指摘した。
この点に関して、「要するに良い教材を使って繰り返して勉強していくことで、自らの潜在力を開発できて実力も高まっていくことができる」と、〝ランチェスター教〟への帰依を自認する竹田代表は、にこやかに説く。

DATA

名 称:ランチェスター経営株式会社
住 所:福岡市中央区白金1-1-8 チュリス薬院301
創 業:1983年6月
代表者:代表取締役 竹田陽一
事 業:出版業および経営教材のCD・DVDなどの製作・販売
URLhttp://www.lanchest.com/

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