【人物図鑑】元銀行支店長が資金繰りの〝救命救急医〟として企業経営を支援する

九州経営リスクマネジメント協会 代表  
河津祐二

九州経営リスクマネジメント協会 代表  河 津 祐 二
九州経営リスクマネジメント協会
代表  
河津祐二

【かわづ・ゆうじ】
福岡市出身、1953年7月19日生、早稲田大学法学部卒。1977年4月福岡相互銀行(現西日本シティ銀行)に入行。営業店、本部勤務を経て、総合企画部次長、福間・野間・雑餉隈の各支店長、法人部主任調査役、広報室長などを歴任。東京事務所在籍中に米国ワシントン州立大学へ留学。研修所配属時に全国相互銀行協会主催の懸賞論文で1位、総合企画部次長時代に第1回金融クイズ日本一全国大会で準優勝。2002年4月医療法人北九州病院へ出向して北九州総合病院の事務長に就任。2007年3月九州経営リスクマネジメント協会を設立して、経営コンサルタントとして独立開業。2014年7月経営革新等認定支援機関としての承認を得る

【3Points of Key Person】

◎元支店長が経営改善計画策定支援事業で資金繰りをサポート
◎銀行員を経て病院経営を手掛けて独立、講師業に活路を見出す
◎福岡県内での経営改善計画策定支援事業で実質トップ

〝資金調達コ ンサルタント〟として企業の資金繰りを支援

①営業力・販売力の強化、②人材の確保・育成、③販売価格引き上げ・コストダウン、④財務体質の強化(借入金返済など)、⑤技術・研究開発の強化……。中小企業庁が『中企業白書』(2012年版)で取り上げた中小企業の主な経営課題だ。

一方、日々の資金繰りに苦しむ経営者の間からは、「売り上げが伸びずに資金繰りが厳しい」「売上回収と仕入先払いのタイムラグで大変だ」「毎月の借入返済金が大きい」などの声も聞かれる。

「元銀行マンとして金融機関が考えていることがわかり、求められる資料づくりや計画書づくりに的確に対応できる点が強みとなっている。特に経営者の気持ちや立場になって銀行や公的金融機関と交渉してきたので、数多くの資金調達や返済条件変更(リスケジュール)の実績がある」と〝資金調達コンサルタント〟である河津祐二・九州経営リスクマネジメント協会代表は自信をもって語る。

借入金の返済負担が大きい中小企業や小規模事業者向けに認定支援機関の支援を受けて、『経営改善計画』を策定することで借入金の返済条件の変更や資金調達などの金融支援を受けられる制度が中小企業庁の『経営改善計画策定支援事業』だ。福岡県の経営改善計画策定支援事業の件数は、協会で一括受注する福岡県中小企業診断士協会を除いた、個別企業・事務所別の場合、河津代表がトップである。

もっとも、経営改善計画策定支援事業は、独自の業務ともいえる。申請する事業者は、資金繰りに苦しんでいる企業や個人だ。一方、同事業の認定支援機関は税理士や公認会計士、中小企業診断士、経営コンサルティング会社などとなっている。業務としては、計画作成に加え、金融機関との折衝において、顧客に同行して一緒に頭を下げることも多く、いわゆる士業と呼ばれる人たちにとって、あまり積極的にやりたくない業務でもある。
「資金調達や金融取引という分野は、経営コンサルティングの中でもニッチな分野だ。銀行時代の経営分析や事業計画作成、さらに支店長としての経験があるので、相談に来られた経営者の気持ちを大切にしながら、寄り添ったコンサルティングを心掛けている」と、河津代表は自らの信念を語る。

昔の仕事先が恩返しで依頼した講師業に活路を見出す

銀行時代は本部勤務が長かった。勤務先の福岡シティ銀行では東京事務所、資金証券部、人事部研修所、総合企画部、法人部、広報室長などを歴任して、支店長も3店舗で務めた。東京事務所在籍中に米国ワシントン州立大学へ留学し、全国相互銀行協会主催の懸賞論文では1位を獲得、さらに第1回金融クイズ日本一全国大会で準優勝を果たすなど、行内では〝頭脳派〟とみられていた。

雑餉隈支店長になって半年経った48歳の時に行内で選抜されて、九州最大規模の医療法人である北九州病院へ出向。救命救急センターを併設した北九州総合病院の事務長として、病院の管理・運営を担当した。出向中に福岡シティ銀行が西日本銀行と合併したこともあって2006年12月に退職して、2007年3月に経営コンサルタントとして独立した。
「最初、診療所や病院を対象に経営管理やリスク管理のコンサルティングをしようと思ったが、結果的に仕事にならなかった。開業後2~3年は知人からの紹介で事業計画作成などの仕事で糊口をしのいだ」と、河津代表は明かす。

苦境の中、救いの手を差し伸べてくれたのは、銀行での研修所勤務時代に仕事をお願いしていた研修関係者だった。「昔、本当にお世話になったので……」ということで、講師実績ゼロの河津代表に金融機関職員向け研修講師の仕事を依頼したのだ。

期待に応えるべく全力投球で研修講師を務めると、評判が評判を呼び、研修会やセミナーへの講師依頼が増えた。その後、全国各地で年間40回ないし50回も登壇するまでになった。そして、独立・開業して12年間で研修会・セミナーでの講師回数は200回を超え、受講者数も1万人を突破した。

「金融機関の支店長など管理職向けのマネジメント研修や、医療・介護分野への進出に際しての目利きの仕方などのテーマが好評だった。ただし、その後金融機関では経費削減で自行内の自前講師を用いる内製化が進む中で、新たに手掛けたのが経営改善計画策定支援事業だった」と、河津代表は自らの歩みを振り返る。

借入金のリスケ可能な経営改善計画策定支援で実質首位

福岡県の経営改善計画策定支援事業の件数で実質首位の河津代表は、「いわば応急処置であり、医療的には救命救急医に相当する。本来の経営コンサルティングは他の専門家を紹介し、企業経営の救命救急行為に特化している。銀行出身の私に求められているのは、やはり企業経営者と金融機関との間の〝翻訳者〟的な役割であり、実力的にも、能力的にも最も向いていると思う」とする。

銀行界25年・医療界5年・経営コンサルタント業12年の河津代表が、いま訴えているのは「〝イタズラに借金を恐れるな〟ということだ。無借金経営が理想ではない。借金があっても、それを上回る資産があれば、まったく問題なく、自己資本比率で50パーセント以上の実質無借金経営が大事」という。
「手元資金として最低でも月商1カ月分、理想的には3カ月分を確保しておくべきだ。手元に十分な資金があれば、資金繰りが楽なだけでなく、本業に集中でき、さらに企業経営のスピードを高めることもできる」というのを持論とする。経営改善計画策定支援事業で福岡県トップを堅持する考えの河津代表は今後、事業計画だけで借りられる創業前の資金調達法を教える創業支援セミナーの開催も計画する。

DATA

名 称:九州経営リスクマネジメント協会
住 所:福岡市中央区天神4-8-2 天神ビルプラス5F
創 業:2007年3月
代表者:代表 河津祐二
事 業:資金調達コンサルタント、経営コンサルタント、医療・介護事業コンサルタント(介護福祉経営士)、経営革新等認定支援機関
URL:http://www.k-mrma.com/

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