【人物図鑑】起業家支援・IPO支援を通じて、福岡をもっと元気なまちにする

株式会社アイ・ビー・ビー 代表取締役 
廣田稔


株式会社アイ・ビー・ビー
代表取締役 
廣田稔

【ひろた・みのる】
福岡市出身、1963年10月15日生、福岡大学法学部卒。1986年4月和光証券(現みずほ証券)に入社、8年間支店での個人営業を担当した後、1994年福岡に戻って、父の経営する不動産会社である廣田商事株式会社に入社。1999年代表取締役に就任。2000年『ibb fukuoka project』立ち上げて、第一弾として株式上場を視野に入れたベンチャー企業向けインキュベーションオフィスビル『ibb fukuoka』を開設した。2009年株式会社アイ・ビー・ビーを設立し、代表取締役に就任。福岡青年会議所2003年度理事長やアジア太平洋こども会議・イン福岡実行委員長を歴任。現在、九州ニュービジネス協議会理事、経済産業省後援事業『ドリームゲート』起業支援登録アドバイザー、アジア太平洋こども会議・イン福岡理事などを務める。

【3Points of Key Person】

◎起業家支援・IPO支援のハード・ソフト両面でバックアップ
◎漁師の祖父、不動産業の父に続き、起業家・IPO支援を立ち上げ
◎起業家の同窓ネットワークで1000億円企業集団を構想

創業都市・福岡での民間インキュベーション施設の先駆け

『令和元年』となった2019年は、6階建て自社ビルを活用したインキュベーション施設『ibb fukuoka』にとっては、2000年のスタートから足掛け20年目の年にあたる。
そして、ibb fukuokaの運営会社として2009年に設立した株式会社アイ・ビー・ビーにとっては、設立10周年という節目の年を迎える。

「インキュベーションオフィスであるibb fukuokaは、起業家やベンチャー企業が成長していく上での〝課題解決の場〟だ。オフィスだけでなく、交流会や講演会・セミナー・勉強会も開催し、さらに独自の経営学習プログラムや専門家による経営指導などを提供し、さらに出資にも応じている」と、株式会社アイ・ビー・ビーの廣田稔代表取締役は事業内容を説明する。

 この20年でibb fukuokaの入居企業は200社を超え、株式公開(IPO)を実現した企業も7社を数える。スタートアップ熱が特に高い福岡市では最近、インキュベーション施設やコワーキングスペースの開設が相次ぐなか、ibb fukuokaは先駆けとなる存在だ。
IPOを目指す企業をオフィスの入居対象とするibb fukuokaでは、創業間もない起業家向けにコワーキングスペース『アントレプラザibbTenjinPoint』も開設しており、起業家・ベンチャー企業向けに多層的な支援体制を備える。
ibb fukuokaでは、ハード面での施設整備だけでなく、ディスカッション形式の『ibb社長塾』をはじめ、1年間のスクール型プログラム『ibbBizCamp』、双方向型セミナー『ibbなでしこ塾』、『ibb起業家支援セミナー』経営コンサルタントによる『iコンサル』などを通じて、ソフト面の充実にも力を入れている。

「起業に必要なのは、ビジネスに対する≪熱い思い≫≪明確な目標≫≪人とのつながり≫、そして少しの≪資金≫だけ。何よりも≪志を持って、実現のためにどんな苦労をしても諦めない》という姿勢こそ、新しい時代を生み出していく」と考える廣田代表は、「福岡を盛り上げることに共感された方々とのネットワークも出来上がっており、ibbのなかでIPOに向けたエコシステムも生まれている」と、にこやかな表情をみせる。

最悪の不景気で誕生、世界同時不況での攻めの展開が実った

四国・徳島から九州・福岡へ移り住んだ漁師の祖父、漁業から不動産業への業態転換を図った父の跡を継いで三代目のトップに廣田代表が就いた1999年に1棟借りのテナントが退去して、空きビルが発生するという事態が起きた。
1999年当時は、『平成12年度年次経済報告』(経済企画庁)によると、≪正に「戦後最悪の不況」である≫という経済情勢だった。このために新たな借り主がみつからないまま、父の死去という不幸にも直面したのだ。

先が見えない状況下、東京で開催されたナスダックジャパンの説明会場を訪れた、元証券マンの廣田代表は、孫正義氏の話を聴いて大いに触発されて、「これからは、ベンチャー企業の時代がやってくる。福岡、そして日本を背負って立つベンチャー企業が生まれ、育っていく〝スタートの場所〟として、あのビルを活用しよう」と決断した。そして、『福岡ベンチャービル構想』というタイトルの企画書を一気に書き上げたことが、ibb fukuoka誕生の端緒となった。

ibb fukuokaの立ち上げは、ゼロからのスタートであり、唯一あるのは空きビルだった自社不動産、そして廣田代表の証券知識だけという状態だった。
「思い切ってibb fukuokaプロジェクトに挑戦できたのは当時、社員3、4人の小さな不動産会社であり、いまのibb fukuokaビルあたりは当時の感覚として天神の外れだったことに加えて当時、日本の景気が極めて悪くて文字通り〝世紀末〟の様相を呈していたという危機感があった」と、廣田代表は当時の状況を語る。

その後、インターネット・バブルやゼロ金利政策によって、経営環境が持ち直したのもつかの間、2008年9月に起きたリーマンショックによって世界同時不況が発生すると、2009年には日本におけるIPO企業数で19社まで落ち込んだ。
逆風が吹き荒れる中、廣田代表は本体の廣田商事内の一事業部だったibb fukuokaプロジェクトを分社化して、株式会社アイ・ビー・ビーを設立した。そして、新たに専任スタッフを投入したことが、その後の事業展開において大きな布石となった。

そして、2010年9月には≪~数多くのアントレプレナー(起業家)とIPO企業を輩出することで、FUKUOKAを商機あふれるBusiness Incubation Cityへ~≫を長期計画20年ビジョンとして打ち出した。
「実際にやってみて実感したのは、人とのつながりが大事であり、スタッフが変わることなく、少人数で徹底的にサポートしてくれた点が大きかった」と、廣田代表をこれまで20年の歩みを振り返る。

「福岡に新たな1000億円の企業集団を誕生させたい」

「不動産業は、まちが発展して初めて成り立つので、不動産事業を通じた地域発展への貢献が大事だと考えていた。今後も、まちを発展させていくのが起業家支援施設だと肝に銘じて取り組んでいきたい」とする廣田代表の好きな言葉は、≪チャンスは貯金できない≫だ。

そして、≪継続は力なり≫と考える廣田代表は、「やると決めたコトは、めげることなく10年・10回やっていくと、良い案になる。そのためにも変わらぬ姿勢で貫いていく」とする。毎年15社前後が参加するibbBizCampも10年やれば、150社になる。
「参加時の1社あたり売上高は推定1億円前後だが、将来的に10倍になると、ibbBizCamp参加企業を一つの集団とみれば、福岡に新たな1000億円の企業集団が誕生する」と思い描く廣田代表の基点には、≪福岡のまちを元気にしたい≫≪地域に貢献したい≫という思いがある。

DATA

名 称:株式会社アイ・ビー・ビー
住 所:福岡市中央区天神2-3-36 ibb fukuokaビル501
設 立:2009年7月1日
代表者:代表取締役 廣田稔
事 業:インキュベーションオフィス事業、起業支援・IPO支援
URL:https://www.ibb-fukuoka.com/

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