【人物図鑑】まちづくりを追い掛けて30余年、福岡の魅力をカワイイく明かす

【画像】九州産業大学地域共創学部地域づくり学科 准教授 
語学教育研究センター所長 山下永子

九州産業大学地域共創学部地域づくり学科 教授
語学教育研究センター 所長
山下永子

【画像】州産業大学地域共創学部地域づくり学科 准教授 
語学教育研究センター所長 山下永子
九州産業大学地域共創学部地域づくり学科 教授
語学教育研究センター所長

山下永子

【やました・えいこ】
1967年1月20日生、福岡県久留米市出身、福岡県立明善高校卒~熊本大学文学部地域科学科卒、熊本大学大学院社会文化科学研究科公共社会政策学専攻博士後期課程修了、(博士:公共政策学)、オーストラリア私立ボンド大学大学院 BBTグローバルリーダーシップMBAプログラム修了(MBA)。大学卒業後に福岡シティ銀行(現西日本シティ銀行)に入行、大林組グループの建設コンサルティング会社であるオークエンジニアーズに転じ、西日本リサーチ・センター、アジアビジネスセンター、福岡市男女共同参画推進センター、西広案内、福岡アジア都市研究所に勤務した後、久留米信愛女学院短期大学ビジネスキャリア学科講師を経て2015年4月九州産業大学経営学部産業経営学科准教授、2018年4月同大地域共創学部地域づくり学科准教授、同大語学教育研究センター所長、2020年4月教授に就任。著書に『地方の国際政策-連携・ネットワーク戦略の展開』『九州地域学(共著)』がある。

【3Points of Key Person】

◎地元・福岡の魅力をプレイス・ブランディング理論で分析していく
◎まちづくりと住民参加をテーマに多セクターでまちづくりを追い掛ける
◎データを用いた実践的なプロジェクト教育で人材育成に取り組む

プレイス・ブランディングで福岡の魅力を明らかにする

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語学教育研究センター所長 山下永子

カワイイ都市力、福岡的カワイイ戦略、「かわいい」価値観、ビジネスにみる「かわいい」の可能性、女子が癒される街1位=福岡、成長戦略の鍵はマケ女、デパオクからの都心活性……。ユニークな切り口や視点での調査・リポートや講演・セミナー・学会報告を手掛けた女性リサーチャーは、いま大学の教壇に立つ。
九州産業大学地域共創学部の山下永子教授は、「地域のデータを調べることを企画して設計し、調査してデータをつくって分析していく。さらに他者の調査やデータも解析していくことで地域の強み・弱みを把握できる」「データや証拠に基づいて自分自身で判断していくことで、ウソやフェイクニュースをつかむことなく、自分の道を切り開いていくことができる人材を育てたい」と、自らの教育スタンスを示す。

1960年に商科大学として開学した九州産業大学は、「産学一如」を建学の理想として掲げ、卒業生は12万人を数える。2020年の開学60周年に向けた教育改革として、芸術学部の5学科再編を皮切りに理工系の3学部7学科、文系5学部9学科の再編で文・理・芸の学部横断型の教育プログラムへ移行した。
一連の学内再編で誕生した地域共創学部において、『地域プロデュース入門』『マーケティング入門』『地域社会調査の設計』『地域社会データの分析』『地域資源論』『地域共創学概論』『九州地域学』などの科目を教える山下准教授がいま力を入れているのは、プレイス・ブランディング理論で福岡という都市を分析していくことだ。

プレイス・ブランディングとは、地域創生に向けた新しい概念であり、従来の地域ブランドや地域ブランディングなどの枠を超えた考え方だ。プレイス・ブランディングとは、意味のある地域として、その価値を伝えていくことである」と、山下教授は解説する。
「福岡市は、地政学的な面的ネットワークに加えて、『スタートアップ』や『子ども会議』などのワンテーマで世界の各都市と線的に結ばれた都市間ネットワークを活用して、地域政策を実現してきた」「都市間ネットワーク交流が結果的にブランディングにつながっていく」との見解を山下教授は示す。

まちづくりと住民参加をライフワークにアップデート

【画像】州産業大学地域共創学部地域づくり学科 准教授 
語学教育研究センター所長 山下永子

地銀、ゼネコン系建設コンサル会社、マーケティングリサーチ会社、海外ビジネス支援会社、広告代理店、外郭団体、シンクタンク、短大講師、大学准教授――。 
「現在の職場が9カ所目となるものの、実は同じ仕事をいろいろな経営セクトでやってきたという見方もできる」と、山下教授はにこやかに語る。

『住民参加とまちづくり』のテーマで卒業論文を書いた山下准教授は、卒業に就職した福岡シティ銀行を1年で退職した。そして上京し、大林組グループの建設コンサルティング会社に転じてゴルフ場やスキー場、マリーナなどのリゾート開発の企画・リサーチからマーケティングを手掛けた。
その後、地元・福岡のマーケティングリサーチ会社・西日本リサーチ・センターにUターン就職して、都市開発や地域開発、さらに都市間ネットワークや海外市場調査などの行政案件を担当した。
「福岡が生き残る上で国際的な都市間ネットワークが必要だ」と痛感した山下教授は英語とマーケティングを学ぶために1年間、カリフォルニア大学バークレー校併設の語学スクールに留学した経験も持つ。帰国後、海外ビジネスの支援を手掛けるアジアビジネスセンターへ移籍して、行政から受託したアジア都市間ネットワーク業務などに従事しながら、熊本大学大学院へ通う。 

そして、福岡市男女共同参画推進センターに勤務した後、西広案内のシニア向けフリーマガジン『ぐらんざ』が新設した『ぐらんざ総研』に所属後、福岡アジア都市研究所の研究員として新ビジョン策定や福岡メトロ構想、アジア太平洋都市サミット事務局を担当した。
アジア太平洋都市サミットとは、アジア太平洋地域の主要都市の代表者が一堂に会して課題解決や意見交換を通じて相互の発展を図っていく都市ネットワークだ。1994年に福岡市の提唱で発足して現在、香港やシンガポール、韓国・釜山、中国・上海、タイ・バンコク、アメリカ・ホノルル、ベトナム・ホーチミン、九州の7県庁所在地と北九州市、那覇市など15カ国・32都市で構成する。
その後、久留米信愛女学院短期大学ビジネスキャリア学科講師を経て、九州産業大学准教授、教授に就任した。
これまでの歩みを振り返って山下教授が印象に残った出来事として挙げるのは、『朝カフェ』だ。「福岡市におけるまちづくりの一環として、魅力ある朝の情景を演出することで地元の人々や来街者に活気を与えるイベント企画を『朝カフェ』というプログラムで実現できた」と目を細める。

〝脳の外部化〟した若者にデータ版PBL教育で〝喝〟

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語学教育研究センター所長 山下永子

「日本が沈んでいく状況であっても今後、福岡が持続的に生き残っていくためにはグローバルネットワークを生かして、ヒトやカネ、ビジネスなどを呼び込んで資源として活用していく必要がある」と考える山下教授が注目するのは、EUでヨーロッパの小都市が見せた独自の生き方だ。

その一方で現代日本の若者たちに対して、「スマートフォンの普及で〝脳の外部化〟が進んでいる」との憂いを抱く山下教授は、データを用いた実践的なプロジェクト教育(PBL)を通じて、学生が自らの目でモノゴトを見て、自分の頭で考え、自分の言葉で発信できる人材育成に打ち込む。
「未来は絶対に良くなる」「未来を良くしていくのはあなたたち自身だ」と、山下教授は学生らに説き続ける。

住民参加とまちづくりをテーマに長年、まちづくりを追い掛けて来た山下教授自身は、モーニング娘。をはじめとする『ハロー!プロジェクト』のアイドルたちの頑張りを〝元気の素〟にしながら、新たなコトを学び、次のアクションにつなげていく。

DATA

名 称:九州産業大学
住 所:福岡市東区松香台2-3-1
開 学:1960年4月
代表者:理事長 津上賢治、学長 榊泰輔
事 業:総合大学
URLhttps://www.kyusan-u.ac.jp/

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