【人物図鑑】メディアとコミュニティで女性の輝きを応援、より良い社会を生み出す

【画像】P&Cプランニング株式会社 代表取締役 上田あい子

P&Cプランニング株式会社
代表取締役
上田あい子

P&Cプランニング株式会社
代表取締役
上田あい子

【うえだ・あいこ】
1974年8月21日生、福岡市出身、福岡県立城南高校卒~西南学院大学商学部経営学科卒。1997年4月KBC九州朝日放送に入社し、番組制作に従事。結婚、出産。産休を経て現場復帰後、取材現場において膠原病と脳動脈瘤で倒れる。2007年KBCを退職し、同年7月にP&Cプランニング株式会社を設立、2008年10月代表取締役に就任。2010年7月任意団体ウィッグリング・ジャパンを発足(2011年7月NPO法人化)、2011年4月国際ソロプチミスト アメリカ日本南リジョン第25回リジョン大会ルビー賞を受賞、2013年10月 ふくおか共助社会づくり表彰協働部門賞を受賞。NPO法人ウィッグリング・ジャパン代表理事も務める。好きな言葉は「一隅を照らす」。

【3Points of Key Person】

◎ 情報サイトや女性コミュニティ運営を核に社会課題に取り組む
◎ ラグビー一家でKBC出身、難病で退職した後に自ら起業
◎ 女性が輝くことによる、輝く社会・未来づくりに尽力

TV局出身、メディアとコミュニティで社会課題に挑む

P&Cプランニング株式会社 代表取締役 上田あい子

女性の健康情報メディア『チアーズスタイルTV』、ニュースペーパー『チアーズスタイル』『ウィッグリング通信』、女性コミュニティ『Cheers』……。
〝メディア〟と〝コミュニティ〟を切り口にテレビ局勤務の経験も生かしながら、社会課題の解決に取り組むP&Cプランニング株式会社の上田あい子代表取締役は、「女性の能力や感性、可能性をもっと広げたい。そして、社会と女性をつないでいくことで社会は、より良くなっていく」「女性が自らの人生を強く美しく生きるために全面的なサポートをしている」と、にこやか表情で語る。

女性がん患者向け支援活動をはじめ、医療ボランティアやQOLサポート活動にも取り組み、NPO法人ウィッグリング・ジャパン代表理事でもある上田代表の本業は、女性向けマーケティング事業や広報コンサルティング、Webサイト・動画の制作、新商品の開発、イベントやセミナーの企画・運営だ。
「女性ならではの視点を〝武器〟にして、女性向けの売れる商品開発をはじめ、女性のライフスタイルに合わせた販売戦略や女性集客の企画、働きやすい会社づくりなどに取り組んでいる」とする上田代表は、九州産野菜の乾燥スープ・調味料、百貨店での集客イベント、化粧品のモニタリング調査、医療機関の見学ツアー、薬局の集客企画など幅広く手掛けてきた。

一方、NPO法人ウィッグリング・ジャパンでは、元がん患者から提供された不要なウィッグを治療中のがん患者に届ける活動に取り組む。
「がん治療の副作用として起きる脱毛は、女性にとってのダメージは大きい。がんと闘っている女性にウィッグと共に笑顔と希望を届けて、女性としての自信や喜びを取り戻してもらいたいという思いが活動の原点にある」と語る上田代表のまなざしは優しい。

ラグビー一家のDNAが導く、女性活躍支援へのトライ

【画像】P&Cプランニング株式会社 代表取締役 上田あい子

「幼い頃から世話焼きだった。ラグビー一家に生まれ育ったので、《One for all, All for one》の意識が強いかもしれない」
上田代表の父は地元ラグビー界で指導者として知られた存在であり、弟はラグビー・ワールドカップ出場歴を持ち日本代表キャップ数6の上田泰平選手(ホンダ)だ。
そして、日本初のラグビーチームである慶応義塾大学ラグビー部でプレーした一人息子は今春、社会人ラグビーへ〝主戦場〟を移す。

当の上田代表自身は、中学時代から英語教師に憧れていた。しかし、大学受験で英文科受験を失敗して、学生時代は失意の日々を過ごしていた。
自らの就職活動のシーズンを迎えた上田代表は、「大学受験は不発だったので、就職活動は本気で勝負に出る」「理想を高く持って、一番難しい業界でみんなが知っている会社に挑戦する」との決意で臨んだ。東京、大阪をはじめ西日本一円のテレビ局に応募したものの、連戦連敗の日々においてテレビ局の活動が、地域の活性化に寄与していることに気づく。そして、地元のKBC九州朝日放送からの内定通知を勝ち取った。

1997年4月、総合職として入社した上田代表は、テレビ制作部において報道番組をはじめ、スポーツ番組や娯楽番組、さらにキー局による全国ネットでの特別番組も担当した。入社翌年に番組企画から関わった健康情報番組『とっても健康らんど』は、現在も放映中の〝長寿番組〟だ。番組制作には計11年間にわたって従事し、その間に結婚・出産を経験し、子育てをしながら制作現場で汗を流した。
毎年、就活期に女子学生らのOG訪問が相次いだ。このため、彼女らにまとまって訪問してもらう一方で上田代表は、さまざまな職種や業種で活躍する社会人女性を集めて一堂に会することで〝働く女性のための場〟を設けた。その集まりは今日、女性コミュニティ・Cheersとして持続しており、会員数で1000人を超える。

KBC時代、スポーツ番組へ異動して担当した佐賀北高校は、2007年夏の甲子園(第89回全国高等学校野球選手権大会)で〝奇跡の逆転満塁弾〟を放って優勝を成し遂げた。
もっとも、仕事での無理を重ねた上田代表自身は、取材現場で倒れてしまう。原因は脳動脈瘤であり、膠原病という特定疾患であることも分かり、「仕事は面白く、やりがいのある職場だった半面、〝命は有限である〟ことを意識して、子どものことを第一に考えた」という上田代表は、退職を決断した。

退職後、取引先や関係先などから幾つかのオファーはあったものの、「社会で活躍する上の大変さを体感している女性自身からの声は、どこにも届いていないし、生かされてもいない」「今後、誰かが取り組み上での〝道しるべ〟になるようなロールモデルをつくりたい」と考えた上田代表は、起業という道を選んだ。
会社設立に際して、社名の『P&Cプランニング』に関して上田代表は、「甲子園で優勝した佐賀北高校は、バッテリー間での信頼の勝利だったと思う。ピッチャー&キャッチャーは、コミュニケーションの基本であり、理想的な信頼関係なので、P&Cと名付けた」ことを明かす。
起業後、動画制作やプロモーションビデオ制作、観光客誘致、ホームページ制作などを一手に手掛けた上田さんは、「会社をやっていく上では、ロマン・ソロバン・ガマンが必要」と極意を明かす。

女性が輝くことで社会が輝き、そして未来も輝く

【画像】P&Cプランニング株式会社 代表取締役 上田あい子

「男性がナンバーワンを目指すのに対して、女性はオンリーワンでありたいと願う。《君がいてくれて良かった》などの共感・共鳴は女性に安心感をもたらす」と考える上田代表は、「さまざまな情報があふれている時代なのに、本当に必要な情報は各個人で格差が生じ、それが希望格差にもつながっている」とみる。

メディアとコミュニティを両輪にソーシャルビジネスに取り組む上田代表は、女性が輝くことで社会が輝き、未来も輝いていく幸せな社会をつくっていきたい」と、笑顔で語る。
英語で「人を元気づける」という意味のCheerは、複数形のCheersでは「乾杯」を意味する。自社メディアも駆使しながら、女性コミュニティなどを生かしながら、挑戦する女性らを応援する上田代表は、彼女らの未来へエールと祝福を送り続ける。

DATA

名 称:P&Cプランニング株式会社
住 所:福岡市中央区天神2-3-10 天神パインクレスト923号
設 立:2007年7月
代表者:代表取締役 上田あい子
事 業:女性コミュニティ運営、情報サイト運営、女性向け集客企画、メディアPRマーケティング、広報PRツール制作、美容・健康関連の商品開発など
URLhttp://8p-ch.com

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