【人物図鑑】脱炭素社会の実現に向け、『両利きの経営戦略』で挑戦と成長を目指す

【画像】副田智幸@九電工(ふくおか人物図鑑)

株式会社九電工
執行役員
副田智幸

【画像】九電工執行役員
副田智幸

【そえだ・ともゆき】
1963年5月25日生、北九州市出身、福岡県立東筑高校卒~福岡大学法学部経営法学科卒。1986年4月九州電気工事株式会社(現株式会社九電工)に入社、同社福岡南営業所長、社長室長、監査役室長、執行役員沖縄支店長などを経て、2021年04月執行役員(経営戦略企画担当)に就任。趣味はアウトドアと音楽。

【3Points of Key Person】

◎ 脱炭素社会の実現を念頭に〝守り〟と〝攻め〟の経営戦略を打ち出す
◎ 事務職として入社、営業所長、支店長として全社1位の営業成績を記録
◎ 企業の持続的発展を通じて、元気な福岡・九州づくりを目指す

持続的発展に向けた〝守り〟と〝攻め〟の経営戦略

画像】副田智幸@九電工(ふくおか人物図鑑)

「経営戦略には、守り〟と〝攻め〟がある。守りでは、組織運営やガバナンス体制の強化などの社内向けの業務。これに対して攻めの面では、時代のニーズに合わせた業容の拡大(新規事業、M&Aおよび資本提携など)が挙げられる」と、株式会社九電工において経営戦略企画を担当する副田智幸執行役員は自らの仕事についての要諦を明かす。

同社を核とした九電工グループの事業領域は、主力の電気工事や空調・衛生工事、配電工事をはじめ、再生可能エネルギー事業やオリーブ事業、また、ベイサイドプレイス博多をはじめ、人材ビジネス、ゴルフ場、ホテル事業など多岐にわたる。
副田執行役員は「これから先、脱炭素社会の取り組みは、九電工グループにとって、大きなビジネスチャンスであり、企業として持続的に発展していく上での重要なテーマである」と力説する。

同社では2021年7月、脱炭素社会づくりへの戦略的な布石として、『グリーンイノベーション事業本部』を発足させた。同時に、企業理念「人をいかし、人を育てる人間尊重の企業をめざします」に基づいた多様性の尊重を図る『ダイバーシティ推進準備室』、新規事業のインキュベーション機能を担っていく『戦略事業推進課』を誕生させることで〝守り〟の経営戦略を具現化させている。

一方、〝攻め〟の経営戦略として消防・防災分野で業歴100 年の中央理化工業株式会社の完全子会社化で周辺領域への事業開拓に動き出した。
また、地方中核都市のコンパクトシティ化に向けた都心再開発事業を手掛けるセントラル総合開発株式会社への20%出資で相乗効果による企業価値の向上や継続的成長を目指す。
さらにペットボトルやポリエステルの化学的な分解・再結合で石油由来と同等品質の製品へのリサイクル技術をもつ日本環境設計株式会社への出資を通じて「循環型社会の実現」に向け、情報交換や協業を図っていく考えだ。

チームワークで全社1位の営業成績を獲った事務系所長

【画像】副田智幸@九電工(ふくおか人物図鑑)

バブル経済前夜となる1986年入社組の副田執行役員は、「現在は毎年、400名程度を新卒採用しているが、当時は入社した同期がまだ20名程度という牧歌的な時代だった」と目を細める。
事務系社員として入社した副田執行役員は、経理や経営企画などの事務畑を歩んだ。若手社員時代には、上司を説得して企画や案件を上へと押すことができずに歯がゆい思いをしたこともあったという。大きな転機になったのは、2006年の福岡南営業所長への就任だった。

営業系出身者や技術系出身者が就任することが多い営業所長のポストに事務系出身者が就任するのは、ある意味、異色な人事であった。自身にとっても現場勤務は初めての経験であり、さらに現場では、本社を別会社のように見ているというギャップの存在も知った。
事務系所長ながら、自らのリーダーシップを発揮して、「仕事を通じてお客さまに喜んでいただこう」「チームワークを重視して、みんなで成果を上げていこう」と所員を鼓舞し、組織の殻を破ってギャップの解消にも努めた。その結果として、営業成績面でも全社1位に輝いた。

営業所長時代を振り返り、「所長になる以前に通った『九州・アジア経営塾』(KAIL)での学びが大きかった。一流の経営者らと膝を突き合わせて交わることで、そのすごさをヒシヒシと感じることができ、私自身の人生において転換期になったと思う。KAILでの経験や学びは、〝一国一城の主〟である所長としての組織運営でも大いに生きた」と語る副田執行役員は、KAIL1期生だった。

2018年4月、監査役室長から沖縄支店長への異動で再び現場の第一線に立つことになる。沖縄支店長としてもチームワークを重視しながら、打ち出したスローガンは、「let’s enjoy(楽しもう)」「Challenge&growth(挑戦と成長)」だった。
さらに「利益は正義だ」ということも支店スタッフに説いた。仕事に対するスタンスとして、儲けとは信者と書く通り、信者すなわちファンを大事にしながら、増やしていくことにも努めていくことが大事というのだ。そして、一連の取り組みを通じて沖縄支店は2年連続で全社1位の営業実績を記録した。

「企業の持続的発展、そして元気な福岡・九州へ」

【画像】副田智幸@九電工(ふくおか人物図鑑)

今後に向けた取り組みとして、「社業としては、脱炭素社会の実現に向けた社会的課題の解決を通じて、企業の持続的発展を目指していきたい。そして、福岡、九州を元気にさせていきたい」との思いを膨らませる。また、個人的には人材育成を永遠のテーマとして挙げる。

「今回のオリンピックを見てもわかるように若者らは臆することなく、挑戦していくことで成功している。そんな若者世代をもっと育てていきたい」と、屈託のない笑顔をみせる。

「和して同ぜず(和而不同)」「逆命利君」「志の高さとは、自分の力(影響力)で幸せに出来る人の数である」「心に北極星(ブレない基軸)を!」「荒波には真っ直ぐ立ち向かえ!」……。
これらの好きな言葉に加えて『let’s enjoy」』を信条とする副田執行役員は、「一生懸命やる人は好きでやる人には敵わず、好きでやる人は楽しんでやる人には敵わない。楽しんでやるからこそ、知恵が出て、成功していく」とする。
挑戦と成長―-。楽しみながら、自らの仕事に取り組んでいく副田執行役員は、新たなチャレンジに向けて日々、歩み続ける。

DATA

名 称:株式会社九電工
住 所:福岡市南区那の川1-23-35
設 立:1944年12月1日
代表者:代表取締役社長 佐藤尚文
事 業:総合設備業
URLhttps://www.kyudenko.co.jp/

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