【人物図鑑】第二の人生における新天地でもKAILの学びと志を実践、地域への貢献を志す
株式会社大丸別荘
総務部長
佐藤操
【さとう・みさお】
北九州市出身、1958年10月10日生、福岡県立小倉高校卒~慶応義塾大学商学部卒。1981年4月西部ガス株式会社に入社、1990年7月同社人事労政部係長、1995年4月同社北九州事業本部営業総括チーフ、1999年7月北九州博覧祭協会へ出向、2001年12月西部ガス株式会社総合企画室関連事業室課長、2005年7月西部ガスライフサポート株式会社へ出向、2008年7月西部ガス株式会社事業推進部事業開発室室長、2009年7月同社福岡営業本部営業部長、2011年7月同社市場開発部長、2013年4月大牟田ガス株式会社に出向して常務取締役、2015年4月大牟田ガス株式会社代表取締役社長、西部ガス株式会社常務執行役員。2019年4月西部ガス都市開発株式会社社長、同社相談役を経て、2024年4月株式会社大丸別荘総務部長に就任。趣味はゴルフ、ジョギング、将棋。
【3Points of Key Person】
◎長年西部ガスグループに勤務した後、大丸別荘の人財部長に転じる
◎西部ガス時代に3度の出向を経験、アイススケート場の復活を果たす
◎KAIL1期生であり、同窓会組織を立ち上げて、初代会長を歴任
ガス業界から温泉旅館・ホテル&料亭という新天地に転じる
「今回、第二の人生に際し、縁あって二日市温泉にある株式会社大丸別荘の人財部長として、新たなスタートを切っている」
「私自身、これまで組織の立て直しや新規事業の立ち上げなどを数多く手掛けてきた中、KAILで得た学びの実践を通じて、新生大丸別荘の実現に向けて尽力していきたい」
地元・福岡において、エネルギー供給を担う西部ガスに入社して以来、40年余りにわたって社業に従事してグループ子会社のトップなどを歴任した後、株式会社大丸別荘に入社した佐藤操人財部長は、自らの決意を述べる。
いにしえの飛鳥期から沸き続けている二日市温泉は、〝博多の奥座敷〟ともいわれており、古来広く知られている保養地でもある。
古くは大伴旅人が大宰府赴任時、亡き妻と二日市温泉を和歌で詠み、万葉集に収録されている。江戸期、福岡藩では温泉奉行を置き、藩主である黒田家専用の『御前湯』も存在した。
さらに幕末の七卿落ちで太宰府に移された三条実美も二日市温泉を訪れて、和歌を詠んでいる。
慶応元年に創業して160年の歴史を持つ大丸別荘は、かつて昭和天皇が宿泊されたことでも知られる老舗の温泉旅館・ホテル、料亭だ。
日本史上において慶応~明治~大正~昭和~平成、そして令和という時代の荒波を乗り越えてきた今日、以前起きた不祥事からの再生・復活に向けて取り組んでいる。
長年、エネルギー業界に身を置いて、市民生活の下支えをしてきた佐藤部長は、「現社長が自ら先頭に立ち、社員・従業員らが一丸となって、真摯に取り組んでいる」と、新天地においても自らの職務と真剣に向き合う姿勢は不変だ。
幾多の困難に立ち向かい、アイススケート場の復活に尽力
荒波が来ても、真正面にぶつかれば転覆しない――。
漁師の間で伝わることわざを信条とする佐藤部長は、「これまでの歩みを振り返ってみて、私自身の転機となったのは、北九州博覧祭協会への出向をはじめ、関連会社の西部ガスライフサポート、大牟田ガスへの3度の出向だった」と回想する。
「響きあう 人・まち・技術」をテーマに開催されて215万人が来場した『北九州博覧会2001』の運営事務局を担当し、本社関連事業室課長として戻った佐藤部長は、西部ガスグループ初の介護付有料老人ホーム『アンペレーナ百道』を企画した。
時を同じくして、次世代のビジネスリーダーを育成していく『九州・アジア経営塾』(KAIL)に第1期生として入塾した。
当時、新規事業の担当課長だった佐藤部長は、KAIL塾生という二足のわらじを履きながら、多忙な日々を過ごした。
卒塾後、新規事業である介護事業を手掛ける西部ガスライフサポート株式会社の設立に際し、自ら出向してアンペレーナ百道を立ち上げた。
本社復帰後、事業開発室長や福岡営業本部営業部長、市場開発部長を歴任後、関連の大牟田ガス株式会社へ出向した。「大牟田の方々は温かく、私自身も大牟田に移り住んだこともあり、大いに親しみを感じた」と目を細める佐藤部長は大牟田ガスでの常務、社長を経て2019年4月、西部ガス都市開発社長に就任した。
西部ガス都市開発時代で最も印象に残った仕事として、福岡唯一の常設スケートリンク場を『オーヴィジョンアイスアリーナ福岡』として営業を再開させたことを挙げる。
1991年10月、国際規格のアイスリンク施設としてオープンした『パピオアイスアリーナ』は、老朽化による設備改修で多額投資を必要とすることが明らかになった。
そして、経営判断に基づいて一時、閉鎖という状況に追い込まれた。
経営再開に向けて模索を続けていた佐藤部長は、「私自身、西部ガスグループの象徴的なスポーツの一つとして存続を願っていた。地元のアイススケート愛好者らから声が上がり、署名も数多く寄せられた結果、復活できたことは大変嬉しい思い出になっている」と、目尻を下げる。
先人のリーダーらに学び、熱い思いで地域貢献に取り組む
利他心、Leadtheself・Leadthepeople・Leadthesociety、シナリオ作り、一人称、基軸、北極星、胆力……。
KAILでリーダーとしての心のあり方や考え方などを数多く学んだという佐藤部長は、「あるべき姿を直に学び、大きな刺激を得て、自分の人生が大きく変わり始めた」「JR九州の唐池恒二取締役相談役の『荒波に真っ直ぐ進む』、ソフトバンクグループ株式会社の孫正義代表取締役会長兼社長の『困難はさあいらっしゃいと迎える』などの教えは、いまでも心に刻んでおり、困難に立ち向かっていく覚悟ができたと思う」。
そして、リーダーに必要な要素として、基軸(北極星)、熱い思い、胆力、利他を挙げる佐藤部長は、「社員や従業員の幸せを追求していくことは、お客さまの幸せの追求につながり、そして会社自体も良くなっていく。その結果、さらに社員・従業員が幸せになり、顧客満足度も高まり、企業としての業績にも反映されていく」とする。その上で「究極の利己とは、利他である」と説く。
もっとも、「思いが強過ぎると、仕事や職場でぶつかって自らを追い込みがちになり、討ち死にすることもあり、寛容や我慢の大切さも体感した」ことを明かす。
「KAILでの学びや志をもっと広めていきたい」と、佐藤部長は2007年5月、九州・アジア経営塾の卒業生で組織する同窓会組織『碧樹会』を立ち上げ、初代代表幹事に就任した。
現在、同会のアドバイザーを務める佐藤部長は、自らの新天地においても、「地域のみなさまからの信頼関係をしっかりと再構築していくことを通じて、広く地域に貢献できるように努めていきたい」との姿勢を打ち出す。
元ガスマンは、〝熱い〟思いを熱源にして、地域への情熱を燃やし続ける。
DATA
名 称:株式会社大丸別荘
住 所:福岡県筑紫野市湯町1-20-1
設 立:慶応元年
事 業:旅館ホテル、料亭
URL: https://www.daimarubesso.com/
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