【人物図鑑】NY赴任が一転、福岡移住で〝リスクを取る企画屋〟がユニーク事業を連発

株式会社ブルースカイ 代表取締役 貞末真吾

株式会社ブルースカイ
代表取締役
貞末真吾

株式会社ブルースカイ 代表取締役 貞末真吾
株式会社ブルースカイ
代表取締役
貞末真吾

【さだすえ・しんご】
神奈川県鎌倉市出身、1974年10月21日生、早稲田大学本庄高等学院卒~早稲田大学卒。大手ダンボールメーカーに勤務した後、住金物産株式会社の繊維部門で海外ブランド(stewart surfboard、FOXなどのアメリカンアパレル)のライセンス業務や輸入卸売業務を担当。2003年に家業であるメーカーズシャツ鎌倉株式会社に入社。シャツづくりと販売業務などを経て、福岡進出を計画してJR博多シティ店と天神地下街店を開店した。2012年ニューヨーク支社長として赴任目前に常務取締役を解任される。その後、福岡へ移住して、センスのいい質屋さん『Acebuddy』(ヴィンテージショップ)を立ち上げた。2014年10月鳥飼八幡宮での肉フェスの企画・運営を手掛ける。現在、センスのいい子ども向けフォトスタジオ『Acestudio』(エーススタジオ)をはじめ、世界初の唐揚げホステル『trica』(トリカ)、泊まれる立ち飲み『STAND BY ME』(スタンドバイミー)、泊まれない立ち飲み屋『タイムカード』、動くスナック『アポロ号』、インスタ映えスポットのアート駐車場『#ジハングン』、みんなが輪になるワークショップ型アイデア大会『FUKUCONVALLEY(フクコンバレー)』などのユニークな事業やプロジェクトの立ち上げと運営を行う。別名“リスクを取る企画屋”。

【3Points of Key Person】

◎泊まれる立ち飲み『STAND BY ME』をはじめ多彩な事業を企画・運営
◎アパレル会社の二代目が、勘当されて福岡へ移住・起業
◎大濠花火大会の復活を目指して、『世界一小さい花火大会』を開催

〝リスクを取る企画屋〟が自ら経営するユニークな事業群

センスのいい子ども向けフォトスタジオ『Acestudio』(エーススタジオ)、世界初の唐揚げホステル『trica』(トリカ)、泊まれる立ち飲み『STAND BY ME』(スタンドバイミー)、動くスナック『アポロ号』、インスタ映えスポットのアート駐車場『#ジハングン』、泊まれない立ち飲み屋『タイムカード』、みんなが輪になるワークショップ型アイデア大会『FUKUCONVALLEY』(フクコンバレー)……。
ユニークで多彩な企画を事業として立ち上げて、宿泊事業・イベント事業・フォトスタジオ事業を主軸に人事・経営・地域活性コンサルティングなども手掛ける株式会社ブルースカイの貞末真吾代表取締役は、「〝リスクを取る企画屋〟として、アイデアをカタチにしたプロジェクトを仲間と立ち上げて、事業として走らせながら持続させている」と、屈託ない表情をみせる。

《大好きな人と、大好きな場所で、大好きなことをするために》という言葉を社訓として掲げる貞末代表によると、企画自体は誰かが困っていて、《何かできないか?》というところからスタートすることが多いそうだ。
そして、「いわば〝一人広告代理店〟として、いろいろなメンバーに声を掛けて、面白いモノをつくっていく。基本的には既存のモノをうまく組み合わせて、新たな付加価値を生み出すことが強みになっている」と、自らの事業モデルの創出スキームを明かす。

「全てを《自分ゴト化》して、真剣に楽しく仕事に挑戦できる仲間が集まって来ている。〝ノリ〟と〝ご縁〟で楽しい事業を生み出しており、これまで世界に無かった事業を独自の企画力や顧客向けのサービス力で生み出している」とする貞末代表自身、大好きな仲間と騒ぐことを趣味の一つとして挙げる。
福岡に移住して以来、短期間のうちにユニークで多彩な事業を立ち上げてきた貞末代表によると、「面白いかどうかが判断基準になっている。そして、事業のカギがキャッチコピーとデザインであることを面白法人カヤックの柳澤大輔代表取締役CEOから学んだ。忠実に遂行していくなかで、キャッチャーコピーが良いと事業自体もうまくいくことが多い」ということだ。

NY赴任が一転、福岡へ〝都落ち〟してユニーク事業を創出

アパレル会社を営む両親のもと、神奈川県鎌倉市で生まれ育った貞末代表は、東京の大学に学び、民間企業で働いた後に実家へ戻って働き始めた。家業のアパレル会社は順調に事業を拡大して、関東圏の各地へ相次いで出店した。
初の海外進出としてニューヨーク出店が決定したが、いきなりの海外出店にリスクを覚えた貞末代表は、日本国内の遠隔地への試行的な出店が必要だと感じた。
そして、独断で福岡進出を決めて、3カ月間の単身赴任で新店舗を立ち上げた。福岡出店で成功を収めた貞末代表はニューヨーク支社長として赴任予定だったが、「最初からニューヨークへ出店すると、かえって世界展開のスピードが遅くなる可能性があるので、最初に各国の状況を視察すべきだ」と考えて、勝手にシンガポールへ出張した。
帰国直後、常務取締役という社内の要職にあった貞末代表は、取締役会議という名の家族会議の場において、解任という憂き目に合った。

当時、海外赴任を前提に自宅も売却していた貞末代表は、「突然、家と仕事を失ったので、妻と相談した結果、好きな土地へ住もう」と、福岡移住を決めた。
かつての単身赴任で気に入っていた福岡へ移り住んで最初、貞末代表が立ち上げた事業は、「センスのいい質屋さん」をコンセプトにした『Acebuddy』(ヴィンテージショップ)だった。既存のモノを組み合わせることで新たな付加価値を生み出すことを体感した貞末代表は、鳥飼八幡宮の山内圭司権禰宜(現宮司)と知り合う。
そして、2014年に立ち上げた企画が、食の神を奉る鳥飼八幡宮の境内で開催する肉の市『鳥飼八幡宮秋季大祭肉フェス』(現鳥飼八幡宮秋季大祭つながるフェスティバル 秋の丸焼きまつり)だった。神社と肉フェスというユニークな組み合わせもあって、初回で1万人、その後3万人、4.5万人が訪れる一大イベントと化した。
そして、神社境内にあった日本家屋で子ども写真館『Acestudio』を始めた貞末代表は、「神事をつかさどる神社と記念写真を撮影する写真館との組み合わせは付加価値を生み、そしてビジネスチャンスになることを発見した」というのだ。
以後、貞末代表は、自らの仲間たちと独自の事業創出モデルで爆走していく。

今後は敷地1万㎡の〝泊まれる道の駅〟、あの花火大会復活に挑む

「現状、一つ一つのビジネスが規模的に小さいので、今後は大きいコトも仕掛けていきたい」との思いを描く貞末代表は現在、糸島半島に位置する1万平方メートルの巨大駐車場である#ジハングンにおける『泊まれる道の駅』建設や、2018年が最後となった大濠花火大会復活を構想する。
泊まれる道の駅への第一歩として、現地のキッチンカーで販売する『糸島レモネード』を取り扱う店舗を福岡市・大名に出店した。
一方、大濠花火大会の復活に向けても布石として先日、鳥飼八幡宮の境内で『世界一小さい花火大会』と称して、約200人の参加者による線香花火による花火大会も開催した。
「アイデアがあれば、カタチにしていくためにも一緒に楽しく遊びましょう」と破顔一笑する貞末代表は青雲の思いを胸に抱きながら、羽ばたき続ける。

DATA

名 称:株式会社ブルースカイ
住 所:福岡市中央区今泉2-5-24 権藤ビル303
設 立:2011年7月1日
代表者:代表取締役 貞末真吾
事 業:ホステル事業、フォトスタジオ事業、イベント事業など
URLhttp://bluesky2012.com/

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