【人物図鑑】建材・加工・環境・その他の事業スクラムで西日本トップを走る1000億円企業集団

【画像】OCHIホールディングス株式会社 代表取締役社長執行役員 越智通広

OCHIホールディングス株式会社
代表取締役社長執行役員
越智通広

【画像】OCHIホールディングス株式会社 代表取締役社長執行役員 越智通広
OCHIホールディングス株式会社
代表取締役社長執行役員
越智通広

【おち・みちひろ】
福岡市出身、1957年3月8日生、福岡県立福岡高校卒~早稲田大学政治経済学部卒。1979年4月福岡銀行に入行。1987年6月越智産業株式会社に入社、1989年7月同社取締役経理部長、1991年6月同社代表取締役社長に就任(現任)。1996年2月福岡証券取引所に株式上場。2010年10月持株会社であるOCHIホールディングス株式会社の設立にともなって、代表取締役社長に就任。2013年11月東京証券取引所市場第二部に株式上場、2014年11月同一部上場を果たす。2015年12月当社代表取締役社長執行役員(現任)となる。趣味は読書、小説家の越智月子さんは実妹にあたる。音楽鑑賞(ジャズやゴスペルなど)、ゴルフ観戦(日本オープンなど)も楽しむ。座右の銘は『百万一心』。

【3Points of Key Person】

◎建材・加工・環境アメニティ・その他事業で売上高1000億円
◎社長に就任後、M&Aを〝武器〟に全国展開と事業拡大で売上3・8倍へ
◎住生活と産業資材のトータルサプライヤーを目指して挑戦し続ける

建材・加工・環境アメニティ・その他事業で売上高1000億円

【画像】OCHIホールディングス株式会社

民間建設投資41兆円――。国土交通省が2019年8月に発表した『令和元年度建設投資見通し』によると、2019年度の民間建設投資見通しとして、前年度比2.8%増の41兆3100億円を見込む。
内訳は民間住宅建築投資17兆3900億円、民間非住宅建設投資17兆7000億円、民間建築物リフォーム・リニューアル投資6兆2200億円だった。

「住まいづくりとは、人々の夢をカタチにする過程である。夢がカタチになっていくときの喜びや感動を多くの人たちと分かち合っていくことを私たちの願いにしている。住まいづくりを通じて人々の夢をカタチにするために必要な情報や知識、資材、技術を提供することが、私たちの使命と考えている」と、建材・住宅設備の販売をはじめ建材加工や建設工事、産業資材の販売などを手掛けるOCHIホールディングス株式会社の越智通広代表取締役社長執行役員は考える。
OCHIホールディングスを持株会社とする同グループは売上高で1000億円を超え、建材・住宅設備の専門商社としては西日本で首位、全国でも4位の事業規模だ。売上高営業利益率や自己資本当期純利益率などの企業収益面で同業他社と比較して相対的に高い数値を上げている。

「住宅は土地に結び付いており、住宅を建てる工務店は地域に密着して活動しているので、建築資材や住宅設備などを供給する商社の地域性も高い。われわれも地域に根差しながら、《建材》《加工》《環境アメニティ》《その他》の4つの事業領域において、住生活環境をトータルにサポートできる総合力が強みになっている」と、越智社長は自社グループの特徴について語る。
同グループは、住宅建築に用いる内装材や合板・外壁などの住宅建材、キッチンやトイレ・バスなどの住宅設備を取り扱う《建材事業》をはじめ、プレカット工場で加工した建築用木材を建築現場に提供する《加工事業》、業務用・家庭用の空調機器や暖房機器などを販売する《環境アメニティ事業》、建設工事や介護関連事業、産業資材を販売する《その他事業》を手掛けるなど多彩だ。

M&A戦略を〝武器〟に全国展開と事業領域の拡大を図る

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東京で学生時代を過ごした越智社長は1979年4月、Uターン就職で福岡銀行に入行した。
同行の博多駅東支店、大阪支店で勤務した後の1987年6月、実家の越智産業に入社した。1989年6月取締役経理部長となり、1991年6月代表取締役社長に就く。

越智産業の社長就任時点の営業エリアは主に九州・山口地区だったが、OCHIホールディングスとなった今日、西日本一円を中心に全国規模で事業を展開する。1989年度に167万戸だった新設住宅着工戸数が、2018年度は95万戸まで減少する一方、業績面は1989年に273億円だった売上高を2018年には1046億円まで伸ばす。

自らの経営者人生を振り返って、越智社長は自らの転換期として挙げるのは、福岡証券取引所への株式上場だ。「当時、福岡証券取引所の最年少経営者として株式上場を実現できた。株式上場と相前後して取り組み始めたM&A(企業の合併・買収)では、平成の30年間に31社を実現できて、営業エリアと事業領域の拡大を図ることができた」と、越智社長はこれまでの歩みを振り返る。

1955年5月に福岡市博多区大博町において越智商店として個人創業した後、1958年10月に株式会社へ法人化した。1970年越智産業株式会社に商号変更して以降、建材商社として卸売業の広域展開を推し進めた。
越智社長が株式上場を果たした1996年以降、M&A戦略を本格化させて、ホームコアやトーソーなどの建材関連会社を傘下に収めて、建材小売業のネットワーク化に乗り出す。
その後、2010年に持株会社体制へ移行して、OCHIホールディングスを設立した。持株会社を核としたグループ経営による事業領域の拡大においても西日本フレーミングやヨドプレ、愛媛プレカットなどのM&Aで建築用木材の加工事業へ進出し、松井やDS TOKAI、太平商工、太陽産業などの非住建分野でのM&Aを通じて関連事業を開拓した。
この間、2013年東京証券取引所市場第二部に株式を上場し、2014年には東証一部上場を果たした。そして、2015年には創業60周年を迎えた。

住生活と産業資材のトータルサプライヤーに向けてトライ

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「今後も4つの事業のシナジー効果を追求するとともにM&Aを戦略的に活用してグループの企業価値を持続的に成長させていく」との将来構想を打ち出す越智社長が特に力を入れているのは、木造の非住宅分野だ。「次回、本社屋を新設する際に木造ビルという選択肢もあり得るかもしれない」と、構想の具体化について煙に巻く。
近年、ドイツが開発した木質建材『CLT』(直交集成板)を用いた7~10階の中高層木造ビルが欧州や北米、豪州で相次いで誕生している。日本でも2013年に日本農林規格(JAS)に制定されており、日本国内でも今後、木造ビルが登場するとみられる。

新たなマーケットの動向も踏まえながら、木構造や蓄電池、そして遮熱断熱塗料など環境にやさしい商材を積極的に推進し、『百万一心』を旨として、日々社員とスクラムを組み着実に前進していく考えだ。
「事業の相乗効果と高効率経営の追求による持続的成長で住生活ビジネスを充実させながら、新たな分野へ事業領域を拡大することで《住生活と産業資材のトータルサプライヤー》を目指す」とする越智社長は、グループ企業をはじめ取引先や関係先とスクラムを組みながら、将来構想の実現に向けてトライし続ける。

DATA

名 称:OCHIホールディングス株式会社
住 所:福岡市中央区那の津3-12-20
創 業:1955年5月18日
設 立:2010年10月1日
代表者:代表取締役社長執行役員 越智通広
事 業:建材事業、加工事業、環境アメニティ事業、その他事業
URLhttps://www.ochiholdings.co.jp/

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