【人物図鑑】デジタル変革(DX)の旗手が、ビジネス・企業・地域の未来を切り開く

【画像@ふくおか人物図鑑】株式会社DXパートナーズ 代表取締役 村上和彰

株式会社DXパートナーズ 代表取締役
九州大学名誉教授
村上和彰

【画像@ふくおか人物図鑑】株式会社DXパートナーズ 代表取締役 村上和彰
株式会社DXパートナーズ 代表取締役
九州大学名誉教授
村上和彰

【むらかみ・かずあき】
1960年1月7日生、熊本市出身、熊本県立熊本高校卒~京都大学.工学部情報工学科卒~京都大学大学院工学研究科情報工学専攻修士課程修了。1984年富士通株式会社に入社、汎用大型計算機Mシリーズの開発に従事。1987年九州大学に転じて、コンピューターシステム構築の教育・研究を手掛ける。助手、助教授・准教授を経て、教授に就任。情報基盤研究開発センター長、情報統括本部長を歴任して、2015年12月に九州大学を早期退職。2016年2月株式会社チームAIBODを設立。2020年4月株式会社DXパートナーズを設立して、シニアパートナー兼代表取締役に就任。

【3Points of Key Person】

DX技術の専門商社&事業プラットフォーム会社を立ち上げた九大名誉教授
◎コンピューターシステム構築の大家、公開データの利活用団体を立ち上げ
◎DXビジネスエコシステムを形成して、にぎやかな世の中をつくっていく

アナログからデジタルへ、そしてDXで社会を変革

【画像@ふくおか人物図鑑】株式会社DXパートナーズ 代表取締役 村上和彰

デジタルトランスフォーメーション(DX)が実現できない場合、2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が生じる――。
経済産業省が2018年9月に発表した『DXレポート』は、〝2025年の崖〟という言葉と共に大きな衝撃を与えた。以降、DXという用語を日常的に耳にするようになった。
「DX化とデジタル化は違う。アナログだったモノづくりや仕事の進め方はITによってデジタル化されており、これらのデジタルデータをもとに新たなビジネスや社会を変えていくのがDXだ」。株式会社DXパートナーズの村上和彰代表取締役は、DXの本質を説く。

村上代表によると、音楽産業の場合、レコードからCDに置き換わったのはデジタル化にあたる。そして、デジタル音源を聞き放題のサブスクリプションに代表される、今まで無かった音楽配信ビジネスを生み出して、新しい価値を提するのがDX化だ。
「中途半端なIT化は、結果的に人間の仕事を増やしてしまう」「従来の仕事のやり方にITシステムを合わせるのは無理であり、ITシステムに合わせて仕事のやり方を変えていくという発想がDXで必要だ」と、村上代表は指摘する。

《DXの民主化》を掲げて活動するDXパートナーズの取り組みについて、「大手企業の場合、外資系コンサルティング会社を起用して、いわば〝外科手術〟的な手法を用いる。これに対して、われわれは日本人の気質にあった〝内科〟的、〝漢方〟的な手法で中堅・中小企業も含めて取り組んでいる」と解説する村上代表は、「私自身は技術屋であり、経営支援をはじめコンサルティングや人材育成、さらにデジタルビジネスの立ち上げもサポートしている」と、にこやかに語る。
物理や化学に代表される科学の世界では、仮説を立てて検証を繰り返していくことで真理に迫っていく。
DXにおいても同様に対象企業の現状を把握して、目指すべき将来像を明らかにした上で仮説を立てて検証を繰り返しながら、〝DXの科学〟で企業のDX化を図っていく。DXを実現したい企業に対し、DX化を支援していくDXサポーター会社を組織している。
2020年8月に発足したDXサポーター会社によるアライアンスメンバーには地場コンピューターシステム会社など10社が名を連ねる。

システム構築の権威が公開データの利活用を促進

【画像@ふくおか人物図鑑】株式会社DXパートナーズ 代表取締役 村上和彰

進学先だった京大工学部情報工学科でコンピューターと出会って、パソコンを手づくりした。そして、入社した富士通では大型コンピューターの開発に従事して、世界最速の計算速度を目指した。
恩師の九大移籍で研究室の立ち上げに際して、思いがけず声が掛かって、学究の道へ進んだことは村上代表にとって人生の転機となった。
九大時代、コンピューターシステム構築の権威としても知られた。大学での教育・研究活動に加えて、九大情報基盤センター (現情報基盤研究開発センター) センター長や同大情報統括本部を立ち上げて初代本部長を務めた。

「コンピューターを導入することによって、たしかに量的変化は起きる半面、質的な変化はコンピューターだけでは難しい」と痛感した村上代表は、ビッグデータやオープンデータの利活用に注目した。そして、2013年4月に『BODIK』(ビッグデータ&オープンデータイニシアティブ九州)というネットワークを立ち上げて、自治体を対象にオープンデータの公開推進や利活用などに乗り出した。
「遅れている自治体のデジタル化に〝風穴〟を空け、公開されたオープンデータを基に民間企業が新たなビジネス創出に向けた利活用が可能になった」と、村上代表は目を細める。2020年8月現在、BODIKには九州の231県市町村のうち、70県市町村が加盟して、〝ビッグデータ空白地帯ゼロ〟への取り組みが進む。

2015年12月に九大を早期退職した村上代表は、AIやデータ活用に取り組む株式会社チームAIBODを設立した。チームを冠した社名は、約20年前に教え子を代表に据えて設立した最初の会社で十分なチーム力を発揮できず、業態転換をした後に事業撤退に至った教訓を踏まえ、チーム力の重要性を意識してのことだった。
2020年4月、DX専門の技術商社であり、DXビジネスプラットフォーム事業会社であるDXパートナーズが福岡市の官民共働創業支援施設Fukuoka Growth Nextで誕生した。

「DXで生態系を成し、にぎやかな世の中をつくる」

【画像@ふくおか人物図鑑】株式会社DXパートナーズ 代表取締役 村上和彰

「みんなでアイデアを出し合って、ワイワイやっていくのが好きであり、楽しい。このようなチームでの取り組みはオープンイノベーションにつながり、社会的に役立つ活動にしていきたい」と、村上代表は笑顔をみせる。
具体的には、DXを目指す企業とDXサポーター会社とのオープンイノベーションによって企業のDX実現を目指していく。
そして、これらのDX化の積み重ねていきながら、DXビジネスの生態系である『DXビジネスエコシステム』を構築していくことを通じて、DXに取り組む企業・会社の持続的な成長を支援していく考えだ。

「DXビジネスエコシステムを実現して、DXを地域から世界へ広めていくことで、より〝にぎやかな世の中〟をつくっていきたい」と考える村上代表は、地元・九州の中堅・大手企業のうち、売上高100億円以上の約600社がDX化に成功することによって九州経済を活性化させていく構想を温める。
「DXとは他人事でなく、自分事としてとらえるべきだ。決して怖いモノでもなく、やる気があれば、誰でもDXはできる。われわれは、DXのための技術や知見、スキル・ノウハウなどを備えており、DXの実現を通じて新たなビジネスや価値をつくっていきたい」との思いを馳せる村上代表は東奔西走し続ける。

DATA

名 称:株式会社DXパートナーズ
住 所:福岡市中央区大名2-6-11 Fukuoka Growth Next
創 業:2020年4月
代表者:シニアパートナー & 代表取締役 村上和彰
事 業:企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現に向けた総合的な支援業務
URLhttps://www.dxpartners.co.jp/

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