【人物図鑑】マーケティングとブランディングの観点で顧客と共に商品開発で奮闘

【画像】ジェヌイン・プランニング株式会社 取締役社長 松田ひかり

ジェヌイン・プランニング株式会社
取締役社長
松田ひかり

【画像】ジェヌイン・プランニング株式会社 取締役社長 松田ひかり
ジェヌイン・プランニング株式会社
取締役社長
松田ひかり

【まつだ・ひかり】
福岡県久留米市出身、1984年9月15日生、八女学院高校卒~九州産業大学芸術学部卒。卒業後に大学院進学を目指して上京、画材店でのアルバイト勤務後、広告代理店で化粧品やサプリメントのパッケージ、ベビー服のデザイン制作を手がける。結婚、出産、離婚を経験して、2011年に不動産会社に転じる。チラシ作成やWeb集客を手掛け、新規事業であるウエディング部門の責任者を務めた。2013年に同社を退職して福岡県久留米市の実家に戻って個人創業。2019年6月にジェヌイン・プランニング株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2020年4月中村学園大学大学院流通科学研究科に入学してマーケティングやブランディングを学び直し、2022年3月に修了。趣味は食べ歩き、旅行。

【3Points of Key Person】

マーケティング、ブランディングの観点で顧客と一緒に商品づくり
◎ 上京してデザイナーとして従事、シングルマザーになって帰郷して起業
◎ 経営者と大学院生の〝二足のわらじ〟を経て、人材育成に乗り出す

アップサイクルの商品づくりがパルコの催事で好評

【画像】ジェヌイン・プランニング株式会社 取締役社長 松田ひかり

小さい頃から絵を描くことが好きだった女の子が芸術学部で学び、上京後にデザイナーとして働きながら結婚・出産・離婚を経験し、新規事業を立ち上げに従事した後に帰郷。地元・久留米市でデザインやWeb制作で起業し、店舗や企業のマーケティングやブランディングなどを手掛けるシングルマザーとして多忙な中、経営者と大学院生という〝二足のわらじ〟を履いた後、新たなステージへ踏み出そうとする。

「作りたい製品や売りたい商品が、〝売れるモノ〟になるとは限らない」「製品や商品のコンセプトとブランディングが合っていないことが多く、結果的に販売や集客につながらないケースが多々ある」と、ジェヌイン・プランニング株式会社の松田ひかり代表取締役社長は、率直に語る。
「本物の」「偽物でない」、「心からの」「偽りでない」、「正直な」「誠実な」などを意味する英語の形容詞「ジェヌイン」(genuine)を社名に冠した松田社長は、「『ジェヌイン・プランニング』という≪偽りのない真実の戦略≫をもとに、成長していくチームである『グロウ・パートナーズ』づくりを通じて、個性が混じり合うことで化学反応を起こし、新たな発想でおもしろいコトを一緒にマジメに挑戦していく会社であり続けたい」と瞳を輝かせる。

「注文を受けたデザインを単に仕上げるだけでなく、お店や企業の強みを顧客と一緒に考えながら、任された仕事の結果を出すために考え悩み、アイデアを出して、全力で取り組んできた」とする松田社長にとって、新たな挑戦の一つが『アップサイクル』だ。
廃棄物を原料に戻すリサイクルに対して、廃棄物をそのまま生かして価値のあるモノにしていく取り組みをアップサイクルと呼んでいる。

創業170年のい草製品の製造・卸が新規事業として取り組んだ、い草のアップサイクルのブランド構築に際して、「商品開発とマーケティング、ブランディングを一体にして、顧客と一緒になって取り組むべきだ」と考える松田社長は、≪自社の強みを確認⇒社会的ニーズの整理⇒コンセプト設計⇒市場ポジショニングの意識&PR戦略の立案・実行⇒デザインへの落とし込み≫という手法を用いた。

そして、老舗企業と共に畳表の廃材を用いたトートバックやベビーカーシート、い草の端材を素材とする消臭剤や装飾小物の商品開発とブランディングに従事した。
自社ブランド(RTT)でい草の廃材をアップサイクルして開発したアクセサリーは出展した福岡PARCOの催事で売上ベスト10入りを果たした。このほか、額縁の廃材をアップサイクルしたアクセサリースタンドなどのユニークな商品開発をマーケティングやブランディングの観点で手掛ける。

シングルマザーになって起業、37歳で大学院修了

【画像】ジェヌイン・プランニング株式会社 取締役社長 松田ひかり

「シングルマザーになったことが私自身の出発点だったと思う」と振り返る松田社長は、芸術系大学院への進学を志して上京し、画材店でのアルバイトを始めた。進学を断念した頃、広告代理店の社長からの声掛かりでデザイナーとして働き始める。

広告代理店では、化粧品やサプリメントなどのパッケージ、ベビー服などのデザインを手掛け、結婚・出産、そして離婚を経験した。
その後、転職した不動産会社ではチラシ作成やWeb集客を手掛ける一方、新規事業であるウエディング部門の責任者を務めた。仕事に追われて、娘との時間も十分に取れない中、「スキンシップが不足している」と指摘する保育士の言葉をきっかけに実家へ戻ることを決断した。

帰郷後、Webサイト制作やチラシ作成などのデザイン業で個人創業した。娘の習い事関係での打ち上げで訪ねた二次会の飲食店で偶然、エステティックサロンの女性経営者と知り合う。
そして、彼女が経営する店舗のマーケティングやブランディングなどを一手に手掛けて、売り上げに貢献した。その後、紹介や口コミでの注文が相次いだこともあって法人化へ踏み切った。

 「それは本当なのか?」。ある経営者からのマーケティング関連の質問に対して、自信のある回答ができなかった松田社長は、「これまで実践一辺倒だったので、大学院で学び直そう」と考えた。
進学先は、指導を受けたい教授が在籍する中村学園大学大学院を選んだ。同校は、松田社長の亡き父が教授を務めていた大学でもあった。
経営者と大学院生という〝二足のわらじ〟を履いて多忙な2年間を過ごし、修士論文「居酒屋におけるカスタマー・ジャーニーに関する研究」を執筆し、修士(流通科学)を授与された。

求められる、作り手本位から市場重視への意識転換

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大学院を修了した松田社長は、「説得力のある話を具体的に伝えられるようになった」と、目を細める。
「マーケティングとは、商品やサービスに対するお客さまからの拍手数を数字化したともいえる売り上げを増やしていく取り組みとなる。一方、ブランディングでは、消費者が商品やサービスを考えた場合、最初の企業やお店として思い浮かべてもらうことが大事になってくる」と説く。

マーケティングやブランディングを基点にした商品開発を手掛ける松田社長は、「≪市場があるかどうか≫≪ニーズがあるかどうか≫という点を意識している人は少ない」と実感する。その上で「作りたいモノや作れるモノを基準にして商品開発を行う『プロダクトアウト』でなく、顧客のニーズや意見をくみ取って製品開発を行う『マーケットイン』に発想を切り換える必要がある」と考える。

長年の実務経験と大学院での体系的な学びをもとに2023年春、人材育成を目的とする『genuine_plan事業戦略講座/マーケティング戦略講座』を開講する予定だ。
おもしろいコトを一緒にマジメに挑戦し続ける松田社長は、トーマス・エジソンの言葉である「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」を座右の銘として挙げる。

DATA

名 称:ジェヌイン・プランニング株式会社
住 所:福岡県久留米市天神町68-4 天神亜依ビル6階
創 業:2013年7月(設立:2019年6月)
代表者:代表取締役社長 松田ひかり
事 業:ブランディング、ラジオ事業部、メディアPR、Z世代マーケティング、プロモーション、各種デザイン
URLhttps://genuineplan.com/

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