【人物図鑑】経営の神様・松下幸之助の理念と哲学を基にワクワクする生き方を実現

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社グループ長 松下幸之助経営理念実践インストラクター 久保山武

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社グループ長
松下幸之助経営理念実践インストラクター
久保山武

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社
グループ長
久保山武
パナソニックライフソリューションズ創研株式会社 グループ長
久保山武

【くぼやま・たけし】
福岡市出身、1967年12月5日生、福岡大学附属大濠高校卒~西南学院大学商学部経営学科卒、神戸大学大学院経営学研究科中退、事業構想大学院大学に在学中。1990年4月松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)に入社。制御海外部門での営業・宣伝企画や本社新事業部門で快眠・空間ビジネスの立ち上げ、ショウルームでの企画・運営を手掛けて、2019年4月からパナソニックライフソリューションズ創研株式会社において、松下幸之助経営理念実践インストラクターとして人材育成事業を手掛ける。松下幸之助の経営理念(思想)を広く伝えて実践に導くことがライフワーク。妻の逝去後、2女のシングルファーザーとなって娘達への弁当作りを日課とする。趣味は旅、食べ歩き、ゴルフ、草野球、 酒場巡り、温泉巡り、古本屋巡り、座禅。

【3 Points of Key Person】

◎経営の神様・松下幸之助の理念と哲学の伝道に努める
◎北米駐在、新規事業で挫折、妻の死を乗り越えて福岡で活動
◎『人生のための学校』を目指し、私塾や小料理屋を構想

『経営の神様』の理念と哲学を伝道、新たな生き方も支援

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社
グループ長
久保山武

『経営の神様』と呼ばれたパナソニック創業者の松下幸之助は丁稚奉公から身を起こし、電球ソケットの松下電器器具製作所を設立して、独自の経営理念と経営手腕によって一代で世界的な大企業グループまで成し遂げた。
「たしかに『経営の神様』と称されることは多いものの、松下幸之助は哲学者であり、思想家でもあった点も紹介していきたい」
松下幸之助経営理念実践インストラクターである久保山武・パナソニックライフソリューションズ創研株式会社グループ長はにこやかに語る。
パナソニックの社内資格である松下幸之助経営理念実践インストラクターである約20人の社員は、主に社内向け研修を担当している。これに対して、久保山グループ長は社外に向けた〝伝道活動〟にも力を入れている。

久保山グループ長が現在、所属するパナソニックライフソリューションズ創研株式会社は、コンサルティング業務をはじめ、研修業務やISO審査・診断、研修コンテンツ開発事業などを手掛ける。
2019年4月に開設した九州開発センターは、パナソニックから異動した久保山グループ長の提案によって誕生した経緯がある。
「会社に依存しない新しい働き方や生き方づくりをテーマに、ミドル向けセカンドキャリアのデザイン支援事業モデルづくりに取り組んでいる」とする久保山グループ長は現在、事業構想大学院大学福岡校で学ぶ社会人学生でもある。
セカンドキャリア支援事業では、中高年のサラリーマンらを主な対象にした人生の振り返り研修をはじめ、中小企業やNPO法人、農業などの現場への短期インターシップも計画し、さらに経験豊富なミドルシニアを活用・起用したい経営者・事業者との人材マッチングなども構想している。

新規事業での挫折や妻の死を乗り越え、いまを生きる

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社
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久保山武

学生時代に手に取った松下幸之助著『人生としての成功』をきっかけに松下幸之助のファンになった久保山グループ長は1990年4月、当時の松下電工(現パナソニック)に入社した。
生産工場の自動化を手掛けるファクトリーオートメーション(FA)部門に配属された久保山グループ長は、FA製品や部品のプロモーション事業を手掛けた後、渡米してアメリカ・ニュージャージーに駐在した。
20歳代半ばの多感な時期に刺激的な体験が得られた。アメリカで一足早くワークライフバランスに基づく働き方や暮らし方を実感した一方、白人優先社会である故の社会問題にも遭遇した」と、久保山グループ長は振り返る。

その後、社内公募で松下電工本社の新規事業部門へ異動した久保山グループ長が取り組んだのは、快眠ビジネスだった。長年、自社で培ってきた照明技術をベースに専用ベッドも開発したショールームを東京・汐留のパナソニックリビングショウルーム東京内に開設した。
しかし、事業規模100億円・3年での単年度黒字という事業目標が大きな壁になった結果、撤退を余儀なくされた。「たしかに新規事業として花を咲かせることなく、実も結ばすに終わったものの、新しいビジネスをゼロワンで立ち上げるという有意義な経験を得られた。何よりもいろいろな個性や能力を備えた人材が、チームとして取り組むことの意義と楽しさを体感できた」。久保山グループ長は学生時代、準硬式野球部でセカンドのポジションで白球を追いながら、チームプレーに徹した日々を過ごした。

2008年6月28日、二人目の出産後に体調不良が続いていた久保山グループ長の妻へ下された診断結果は末期がんだった。
長期の介護休暇を申請した久保山グループ長は、妻の郷里でもある福岡への転勤を希望して異動した。がん治療法について、いろいろ調べた久保山グループ長が気づいたことは、食の大切さだった。
自然食中心の食事に切り替えた結果、末期がんだった妻は2年近く闘病した末、意識が戻らくなった最期の状態で、右目からの一筋の涙を見せて旅立った。
妻の死後、福岡市・薬院のパナソニックリビングショウルーム福岡の責任者となり、女性スタッフ約100人の上司となった久保山グループ長は、女性の働き方改革やお客さま目線による顧客満足の向上に打ち込んだ。ショールームという空間を生かして、食育や古民家改装などユニークな切り口でのファンづくりを熱心に取り組んだ久保山グループ長の一日は、二人の娘への弁当づくりから始まる。

誰もが先生になる社会づくりでワクワクする生き方を実現

パナソニックライフソリューションズ創研株式会社
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「誰もが誰かの先生になる社会の実現を目指す」「寄り道もOKな上に迷いや悩みもOKであり、学びたくなったタイミングで学べるようにしていきたい」という夢を思い描く久保山グループ長がイメージする『人生のための学校(学び舎)』は、幕末の偉人を輩出した松下村塾とデンマーク生まれの大人の全寮制学校『フォルケホイスコーレ』を融合させた存在だ。

現在、事業構想大学院大学に在学する久保山グループ長は、経営コンサルタントの大前研一氏主宰『アタッカーズビジネススクール』や伝説のホテルマン・高野登氏主宰『九州百年塾』、偉人伝講座の『寺子屋モデル』などで〝学び続けている〟そうだ。
これらの学びを通じて、「自分がやりたいコトに立ち向かっていくヒトを応援していく場をつくっていき、ワクワクする生き方を実現していきたい」と考える久保山グループ長自身、私塾づくりや小料理屋開店などの構想を温める。
〝素直な心〟を尊重した松下幸之助は、人生としての成功という命題について、「人には、おのおの異なった生命力が与えられています。この天分を活かすことが、人間としての成功であります」と、自著に書き記している。

DATA

名 称:パナソニックライフソリューションズ創研株式会社
住 所:(九州開発センター)福岡市中央区大名1-1-29 WeWork大名内
設 立:1992年6月
代表者:代表取締役社長 岡村幸彦
事 業:コンサルティング、研修、審査・診断、研修コンテンツ開発事業
URLhttps://panasonic.co.jp/ls/plsbct/

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