【人物図鑑】北九州・黒崎で〝志民の志金による〟タウンドシップのまちづくり

【画像@ふくおか人物図鑑】副都心黒崎開発推進会議 幹事長 
タウンドシップスクール 公長 池本綾女

副都心黒崎開発推進会議 幹事長
タウンドシップスクール 公長
池本綾女

【画像@ふくおか人物図鑑】副都心黒崎開発推進会議 幹事長 
タウンドシップスクール 公長 池本綾女
副都心黒崎開発推進会議 幹事長
タウンドシップスクール 公長
池本綾女

【いけもと・あやめ】
1967年6月7日生。福岡市出身、福岡女学院中高短卒。卒業後に株式会社ふくやに入社。結婚退職後、夫の出身地である北九州市八幡西区へ移り住む。夫の歯科開業をサポートしながら、1993年10月(一般)北九州港振興協会の北九州市ポート・コンパニオン(第5期:現北九州ポート・アテンダ)に就任。その後、北九州市長の私的諮問機関である『北九州ミズ21』(7期)委員に就任。副都心黒崎開発推進会議幹事長をはじめ、タウンドシップスクール公長、黒崎96の日実行員会実行委員長、北九州市国民保護協議会委員、北九州市防災会議委員、福岡県警八幡西警察署協議会委員、黒崎繁華街魅力づくり協議会委員、株式会社AIR STATION HIBIKI FM88.2MHz番組審議委員などを務める。これまで公益財団法人北九州国際交流協会理事、北九州市地方港湾審議会委員、北九州市海辺利用促進会議委員、福岡県観光審議会委員、井筒屋黒崎店社外相談役、九州国際大学地域連携センターアドバイザリー委員、NPO 法人北九州青年みらい塾監事、国際協力リポーター(ヨルダン)などを歴任した。

【3Points of Key Person】

◎北九州市・黒崎でまちづくりが友情を育むタウンドシップを立ち上げる
◎福岡市から結婚で黒崎へ移り住み、《子どもたちに誇れるまち》を志す
◎「まちづくりは人づくり、人づくりは国づくり」を指針に活動

タウンドシップ=タウン(街)×フレンドシップ(絆)

【画像@ふくおか人物図鑑】副都心黒崎開発推進会議 幹事長 
タウンドシップスクール 公長 池本綾女

「『タウンドシップ』とは、まちづくりを通して仲間づくりや地域活性化を目指す、タウン(街)とフレンドシップ(友情・絆)を融合した新しいまちづくりを表現した造語となる」と、2012年5月に北九州市・黒崎に誕生したタウンドシップスクールの〝公長〟である、池本綾女氏は解説する。
タウンドシップスクールとは、「市民活動の入口。まちをフィールドに自分自身も楽しみながら、まちづくりをおこなう〝大人の部活〟として幅広い年代の人たちが交流していくことによって、誰もが楽しく参画できる新しい地域コミュニティーのカタチを提案している」と紹介する。

現在、大人の部活は3つで、緩やかなつながりを保ちながらそれぞれの活動を行っている。
歌声で黒崎を盛り上げたい『合唱部』は幅広い年代の人たちが集い地域イベントでオリジナル楽曲も披露しながら、地域活性化に一役買っている。
黒崎周辺のランチ営業店を自腹で食べ歩きながら〝利用者目線〟のランチマップを定期的に作成している『マップ部』からは、まちづくり会社が2社誕生した。
過去には、まち全てを学びの場として公的なスポットの舞台裏や神社仏閣を知る講座も開催し、世界最古の〝オーケストラ〟、日本の雅楽を学ぶ『雅楽部』も発足した。今後新たな部活も登場しそうだ。 

また、池本氏が幹事長を務める『副都心黒崎開発推進会議』は、黒崎を中心とした副都心地域の都市機能の充実と魅力ある街づくりに向けて、地域住民や企業、各種団体など約250人・団体が集まって1992年7月に設立した。
2015年には日本学術会議前会長の大西隆氏からの助言を得て、『新まちづくり戦略〝黒崎タウンドシップ宣言〟』をまとめ、市へも提言。地方創生の鍵としてまちづくりの専門家からも注目されている。

9月6日は〝黒崎96(くろ)の日〟――。同日、黒崎地区を盛り上げようとJR黒崎駅前の商店街アーケードの路上で2500人余りがまちに乾杯するイベント『黒崎96の日』も池本氏が副都心黒崎開発推進会議や北九州市などで組織した実行員会を立ち上げて開催してきた。
2016年から始まった同イベントには、タウンドシップスクールの〝部員〟も参画し、「肩書きや立場に関係なく、企業も個人も行政もみんなで一緒に知恵を絞り、現場で汗を流しながら創り上げていく。まちづくりを通じて友情を育むタウンドシップの成果そのもの」と池本氏は笑顔をみせる。

従来のまちづくりの反省で生まれた〝大人の部活〟

【画像@ふくおか人物図鑑】副都心黒崎開発推進会議 幹事長 
タウンドシップスクール 公長 池本綾女

 母子家庭で、中学の頃ふくやの工場近くで母親が始めた喫茶店を手伝っていた縁で株式会社ふくやに入社した。新設された法人事業課に初の女性営業社員として配属され、市場リサーチや役員の社外秘書的な業務や法人顧客の開拓などを手掛けた。
「社会人としての基礎をはじめ、社会貢献や社員を家族のように育む理念などを学んだ」と目を細める。入社1年目でアジア太平洋博覧会のイベントブース責任者へ抜擢され、会社の代表者として単身現場に張り付く。その後も新しい事には次々と切り込み隊長のように任され、八面六臂の活躍をみせた。「まるでライオンの子育てのような感じで鍛えられた」と懐かしむ。

その後23歳で結婚、24歳の時に夫の開業を期に北九州市・黒崎へ。初めての出産とも重なった。
「当初は福岡と全く異なる生活環境で全ての面で戸惑った。友だちも知合いもいない、孤独なアウェー感で始まったが、子どもが生まれて、彼女らがこのまちで生きていく上でも《子どもたちに誇れるまちにしたい》と、友人知人をつくりながら、まちに学び、まちを知ることに努めた」と振り返る。

本格的にまちづくりを始めるきっかけは、後に小倉発祥の焼きうどんなどを全国区に売り出したNPO法人『北九州青年みらい塾』の活動からだった。
あわせて、市長の私的諮問機関の委員も務めた。当時の末吉興一市長からの諮問テーマは「これからの100年のまちづくり」であった。
「100年後の人財を『今育てる』ことが100年後のまちづくりにつながる」と2003年に小学生を対象に国際理解体感事業とした『国際キッズ』を企画運営。以後10年間地元商店街を舞台に『黒崎ハロウィン』を続けたが、引き継げる〝人財〟を育むことができなかったと猛省した。

長年まちづくりに関わる中で、まちの声を吸い上げきれなかった行政主導の計画は結果も成果も残らなかった事例も多く、事業継承者が育たない、さらには潤沢な補助金が無くなった途端に消滅した事業などを数多く経験してきた。
「これまでの反省も生かして誕生したのがタウンドシップスクールです。今はもうガツガツしたまちづくりでは続かない、ゆるやかで楽しく仲間づくり、持続可能なまちづくりを目指している」「予算ゼロだった96の日でも、わずか3カ月で実施可能な仕組みをつくり上げることができた」
そして、池本氏は「ようやく《黒崎は女性が元気だ》と言われるようになったが、唱え続けること、仕組みを作り続けること、関り続けることが大事であり、そのきっかけや場を提供しながら、応援していきたい。次世代の女性らが積極的にまちづくりに参画することによって、人が輝き、まち自体も大きく進歩していく」とほほ笑む。

「9月6日を記念日『タウンドシップ・デー』に!」

【画像@ふくおか人物図鑑】副都心黒崎開発推進会議 幹事長 
タウンドシップスクール 公長 池本綾女

《まちづくりは人づくり》とする池本氏は2013年8月、《人づくりは国づくり》と掲げる独立行政法人国際協力機構(JICA)の国際協力リポーターとしてシリア内戦で難民が殺到したヨルダンへ派遣された。パレスチナ難民キャンプや町全体を博物館とするサルトのまちづくりなども視察して、考えが深まり広がったという。
「地球上の海や空は国境で区切られることなく、つながっている。世界は一つ、日本だけにとどまることなく、文化や社会、価値観などの違いを超えて、地域にあった人づくりや、コミュニケーションの大切さをあらためて痛感した」
そして、黒崎での取り組みを北九州市全体へ浸透させながら、全国へ広めていき、さらに世界へ発信していく〝想い〟を募らせた。

国連をはじめとする国際機関が定めた記念日である『国際デー』で7月30日は『国際フレンドシップ・デー』となっている。
この点を踏まえて、池本氏は、「9月6日を『タウンドシップ・デー』として、まちづくりに取り組む世界みんなの記念日にしたい」との〝想い〟を胸に描きながら、今日も笑顔で地域と向き合う。

DATA

名 称:副都心黒崎開発推進会議
住 所:北九州市八幡西区黒崎黒崎3-15-3 コムシティ5F
創 業:1992年7月
代表者:会長 利島康司
事 業:街づくり推進のための調査・研究および計画立案、関係機関に対する提言・要請および協議、産・官・学・民の関係諸団体との連携
URLhttp://k-fk.jimdo.com

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