【人物図鑑】税務・会計界での経営統合やブランディングで〝新たな時代〟を創る

【画像】アネーラ税理士法人 理事長(CEO) 藤本周二

アネーラ税理士法人
理事長(CEO)
藤本周二

アネーラ税理士法人
理事長(CEO)
藤本周

【ふじもと・しゅうじ】
1959年12月13日生、福岡市出身、中央大学法学部卒。民間企業勤務を経て、1993年公認会計士二次試験に合格、中央監査法人に勤務した後、1997年4月公認会計士に登録。1998年12月に藤本公認会計士事務所を設立。1999年10月に税理士登録、2009年8月にエスペランサ税理士法人(現アネーラ税理士法人)を設立して、理事長に就任。2012年1月にエスペランサコンサルティング株式会社、2015年3月に九州M&Aサポート株式会社を設立、2020年12月に九州有限責任監査法人を設立して、各社・法人の代表に就く。藤本公認会計士事務所所長や株式会社マルタイ監査役なども務める。趣味は読書、座右の銘は「一隅を照らす。此れ即ち国宝なり」「至誠天に通ず」。著書に『社長の品格』(海鳥社刊)がある。

【3Points of Key Person】

会計士8人・税理士23人の九州トップクラスの有資格者事務所を経営
◎ 30歳で会計士への志を立て、一人で起業して20年余りで100人体制
◎「楽・優・信」を〝テコ〟に終身雇用と300人体制を目指す

税務・会計界の〝リッカールトン〟を標ぼうする

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独立した立場での監査証明を主業務とする公認会計士は監査・会計の専門家であり、会計や税務、コンサルティングなども手掛けている。日本公認会計士協会によると2020年12月末日現在、公認会計士の会員・準会員数は3万9198人を数える。うち会員数は全国で3万2488人であり、福岡県の会員数は756人だった。
一方、税務に関する専門家である税理士は、独立・公正な立場での納税義務の適正な実現を使命とする。日本税理士会連合会による、2021年3月末日現在、税理士登録者・税理士法人届出数は全国で7万9404人となっている。このうち福岡・佐賀・長崎の北部九州3県での登録者・法人数は3398人だった。

「法人・個人への質の高い税務・会計サービスを提供していくために会計士・税理士らの有資格者を積極的に採用してきた。その結果として現在、会計士8人、税理士23人(有資格者含む)となっており、九州でもトップクラスの有資格者数を誇る税理士法人になっている」。公認会計士であり、税理士でもある、アネーラ税理士法人の藤本周二理事長の表情からは笑みがこぼれる。
税理士法人の代表に加えて、九州有限責任監査法人代表社員、九州M&Aサポート株式会社代表取締役、藤本公認会計士事務所所長なども務める藤本理事長は、「われわれ総勢93人の仕事は、基本的にサービス業だと意識しており、税務・会計界の〝リッカールトン〟を目指している」と、独自の考えを打ち出す。
税務・会計に加えて、相続関係や事業承継、事業計画策定、経営再建、M&Aなども幅広く手掛ける中、藤本理事長によると、「今日、報道されている経済ニュースのうち、一定数は、われわれが手掛けた案件であるものの、仕事柄、黒子的な存在であり、表に出てくるようなことは無い」とのことだ。

一人起業から20年余で100人規模への拡大を遂げる

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「このままサラリーマンをやっていてはダメだ。まずは国家資格を取ることから始めよう」と、藤本理事長が決断して志を立てたのは、30歳の時だった。
当時、世間的にはバブル景気に浮かれた状況下、目指すべき国家資格を探していた藤本理事長は、「会計士は人手不足であり、引手あまただ」「会計士試験は難しいものの、合格して監査法人に在籍したら、一生安泰だ」「会計士になったら、ニューヨークでの研修に参加できる」などの情報を目にした藤本理事長は、公認会計士を目指しての受験勉強を始めた。

医師、弁護士と共に難関の三大資格国家として称されることも多い公認会計士の二次試験に藤本理事長が合格した33歳の時だった。
もっとも、合格時は既にバブル自体は弾けて、ニューヨークでの研修以前に監査法人への就職さえも苦労する時代になっていた。
大手監査法人に就職して、東証一部上場企業をはじめとする大手企業の会計監査業務を担当した藤本理事長は、39歳の時に独立した。

自宅で開業した後、福岡市・大名のマンションの一室に事務所を構えた藤本理事長は当初、顧客ゼロからの多難なスタートだった。税務・会計に止まらず、コストダウンや補助金紹介などの経営支援を手掛けたことが新規顧客の開拓につながった。
その後、同地近くのオフィスビルへの移転を経て、天神ツインビルへ移り、そして現在地のアクロス福岡へ移転した。当初、5階だった事務所も人員拡大に伴って、11階へ拡張移転して、今日に至っている。

一人で開業して以来、20年余りで100人近い規模まで規模を拡大させてきた藤本理事長にとっても転機となったのは、3年前の〝組織化〟だった。
「それまでは私自身も顧客を担当し、実務を手掛けて飛び回って、私自身は楽しかった。アクロス福岡への移転後、57歳までは公私共に登り調子だったものの、58歳の時に健康面や業績面での踊り場を経験して酒を止め、マラソンを始めるなど体を鍛えるようになった。すると、組織へ目が向き始めて、《人に任せる》《人に期待する》ようになると、組織自体も成長していった」ことを藤本理事長は明かす。
直近の3年間で30人規模だった人員は、提携先の税理士法人との経営統合や東京事務所の移転拡大などの追い風もあって、一気に3倍近くも伸びた状況を目にした藤本理事長は、「つまり、経営者へと舵を切ったことが大きかったと思う。口出しせずに所員を見守っていると、みんな本当に頑張ってくれており、仕事のレベル自体もさらに向上している」と相好を崩す。

楽・優・信の実践で300人体制と終身雇用を目指す

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今後の目標として、300人体制を掲げる藤本理事長は、他よりも高い給料をさらに1割アップさせていきたい」「最終的な目標は終身雇用。つまり、独立して自分で始めるよりも、このまま事務所に所属していた方が良い状況にしていきたい。すると離職率も下がって、結果的に終身雇用に近づいていく」と考える。

理想的な経営者像として、西郷隆盛を挙げる藤本理事長が信条とするのは、「楽・優・信」だ。「《楽》楽しい・楽である、《優》給料が高い・待遇が優れている、《信》ロイヤリティーが高い・信頼される」と解説する藤本理事長は、「楽と優は私の仕事であり、これらが実現できると、自然に信も高まって結果的に終身雇用も実現できる」と胸を膨らませる。

2019年11月の経営統合での法人名改称で打ち出した『アネーラ(A NEW ERA)』とは、「新しい時代」を意味する。
CEOも務める藤本理事長は、「常識を疑え。通念から脱却して、自分自身の常識をつくることが、これからの新しい時代に求められる」と力説する。藤本理事長の飽くなき挑戦は続く。

DATA

名 称:アネーラ税理士法人
住 所:福岡市中央区天神1-1-1 アクロス福岡11階
設 立:2011年10月1日
代表者:代表社員・理事長 藤本周二
事 業:税務顧問(法人・個人)、相続対策・相続申告、事業承継支援・M&A
URLhttps://anera.or.jp/

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