【人物図鑑】地元テレビ界で活躍後、ネット局で障がい者支援やアスリートらを発掘

【画像】ふくおか人物図鑑 有限会社バータービレッジ 代表取締役 山本カヨ

有限会社バータービレッジ
代表取締役
山本カヨ

【画像】ふくおか人物図鑑 有限会社バータービレッジ 代表取締役 山本カヨ
有限会社バータービレッジ
代表取締役
山本カヨ

【やまもと・かよ】
1964年9月2日生、福岡県出身。中村学園女子高校卒~中村学園大学短期大学部卒。KBCラジオのラジオカー『ひまわり号』のレポーターを経て、テレビ番組『ドォーモ』や『ナイトシャッフル』などに出演した後、2013年4月にニコニコ生放送公式チャンネル『カヨチャンネル』を開局。2019年9月にインターネットテレビ局『バーター☆ビレッジ』としてリニューアルして、グルメや観光、スポーツ、ビジネスなど多岐にわたる多彩な番組を配信している。1991年3月、有限会社バータービレッジを設立して代表取締役に就任。福岡を拠点に講演活動や司会業なども手掛ける。福岡市中央区大名にカラオケバー『アデリータ大名』を開設してカウンターに立つ。趣味はハーレーダビッドソン、サップ、編み物、ビーズアクセサリー。

【3Points of Key Person】

地元テレビ界で一世を風靡した後、インターネットテレビ局を立ち上げる
◎ 結婚式での司会を皮切りにラジオ、テレビを経て、ネット局で地域活性化
◎ 福岡市・大名にカラオケバーを開店してリアルな〝場〟も提供する

人気TVタレント・レポーターがネット局主宰へ転身

【画像】ふくおか人物図鑑 有限会社バータービレッジ 代表取締役 山本カヨ

「なんしよーとー」「しけとーねー」「いい加減にしとき」……。
明るく元気な博多弁を〝トレードマーク〟にして30年余りにわたって地元のテレビ界・ラジオ界で活躍し、一世を風靡した山本カヨさんはいま、有限会社バータービレッジの代表取締役としてインターネットテレビ局の運営・出演をはじめ講演活動や司会業で多忙な日々を送る。

「インターネットテレビ局『バーター☆ビレッジ』のバーターに〈持ちつ持たれつ〉という意味合いがあり、視聴者は見るだけでなく自らも参加して情報発信できる仕組みになっている。頑張っている障がい者やアスリート、アーティスト、さらにお店を経営する人たちが自分の言葉で情報発信できる、ビレッジ(村)のような〝場〟を提供している」と山本さんは、はつらつ表情で語る。

かつての伝説的な人気番組『ドォーモ』への出演を終えた山本さんは翌2013年4月、「これからは、テレビを持ち運んでいく時代になる」との助言をきっかけにニコニコ生放送公式チャンネル『カヨチャンネル』を立ち上げた。
その後2019年9月、YouTubeの普及・浸透も踏まえて現在の『バーター☆ビレッジ』へ衣替えしている。

「それぞれの表現方法があって良いと思う」「ラジオからテレビ、そしてインターネットへという時代を生きており、インターネットの活用は重要だと考える」とする山本さんが主宰するバーター☆ビレッジでは、障がい者支援をはじめ、アスリートやアーティストの発掘など地域創生をテーマにしてグルメや観光、スポーツ、ビジネス、音楽、ファッション、サブカルチャーなど幅広い番組を配信する。

障がい者、アスリート、アーティスト支援に尽力

【画像】ふくおか人物図鑑 有限会社バータービレッジ 代表取締役 山本カヨ

私自身で夢や目標を描くことなく、人生の設計図を書けないタイプだったこともあって、先輩や周りの人たちからの《あれをやってみたら》《これをやるべきだ》とのアドバイスに沿って挑戦し続けた結果が、今日につながっている」と、振り返る山本さんにとってマイクを握る仕事のスタートは結婚式の司会だった。結婚式場の仕事で新郎新婦をはじめ親族や招待客らが感極まって涙する場面に幾度も接して達成感を覚えた山本さんは、「マイクを握る仕事で頑張っていきたい」と心に決めた。

そして、KBCラジオのラジオカー『ひまわり号』のレポーターを経て、ドォーモのスタート時にレポーターとして起用された。同番組の企画で1993年に放送された『山本かよの妊娠・出産日記スペシャル』は、日本民間放送連盟賞・テレビ娯楽部門で最優秀賞を受賞している。
一方、小学4年生からバスケットボールを始めて高校時代も部活動に励んだ山本さんは2007年6月、友人らが立ち上げた日本プロバスケットボールリーグ(bjリーグ)『ライジング福岡』の球団代表を無償で引き受けてスポンサー獲得に奔放した。

相前後して障がいを持つアスリートらとの接点もできた。最初に知り合ったのは聴覚障がい者の国際的なスポーツ大会『デフリンピック』のバスケットボール日本代表選手だった。
彼を通じて、国からの助成金も無いことによる窮状を知った山本さんは、知己の経営者らに呼び掛けて支援を実現した。
その後、障がい者と健常者が交流するボーリング大会『カヨリンピック』をスタート。ハンディ無しで両者が競う同大会を過去7回開催したうち実に6回は障がい者が優勝をなし遂げている。

仕事柄、インターネットを活用した情報発信をしたいという障がい者やアスリート、アーティストらに対して、「私でもやれたのだから、まずは自分自身で挑戦してみたら」との言葉と共に彼らの背中を押すことも多い山本さんは、「機会を与えると、彼らは自分たちで勉強して番組をつくり上げていく。そして、それらの番組をバーター☆ビレッジでもシェアしている」と語る時のまなざしは優しい。
余命いくばくも無かった筋ジストロフィーの子どもがYouTube番組を立ち上げて念願のYouTuberになり、そして彼が逝った際に山本さんは涙にくれたそうだ。

アクティブで取り仕切るイメージとは別の顔も……

【画像】ふくおか人物図鑑 有限会社バータービレッジ 代表取締役 山本カヨ

「自分自身のために頑張るよりも、誰かのために頑張る方が一生懸命にやれて、私自身でもシックリとくる」「実は、裏方の仕事が好きで、そっちの方が向いているのではないかと思う」
これまでテレビの画面を通じて、番組を取り仕切るイメージの強かった山本さんだが、素顔では別の面ものぞかせる。

ドォーモでは年下の大学生らを相手に姉御肌を演じ、人気テレビ番組『ナイトシャッフル』では出演する中高年女性らに対して〝近所の娘〟的な立ち位置を見出した山本さん自身は、「進行役であるアナウンサーをエスコートして支えることが私の役割だと考えていた。また、取材先の魅力や良さを引き出していくことこそが、インタビューという仕事の醍醐味として取り組んできた」ことを明かす。

ハーレーダビッドソンに乗り、ウォータースポーツのSUP(サップ)を高じるなどのアクティブな趣味をもつ山本さんは半面、洋裁をやっていた母から小学校1年生時に学んだ編み物のキャリアは半世紀余りにも及ぶ。さらに30歳を過ぎて始めたビーズを用いたアクセサリー作りも趣味の一つになっている。
「嫌い嫌いも好きのうち」「いろいろ言っている人もお客さん」と、前向きに笑い飛ばす山本さんは好きな言葉として「よかよか。全てよかよか」を挙げる。

DATA

名 称:有限会社バータービレッジ
住 所:福岡市中央区大名1-4-30
創 業:1991年3月29日
代表者:代表取締役 山本カヨ
事 業:インターネットテレビ局の運営・出演、講演活動、司会業など
URLhttps://bartervillage.info/

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