【人物図鑑】暗号資産を生み出したブロックチェーンの社会実装で新たな経済へ

【画像】合同会社暗号屋 代表社員 紫竹佑騎

合同会社暗号屋
代表社員
紫竹佑騎

合同会社暗号屋
代表社員
紫竹佑騎

【しちく・ゆうき】
1986年3月13日生、新潟市出身。新潟明訓高校卒~工学院大学工学部情報工学科卒~同大学院(情報学専攻)修了。2010年4月株式会社サイバーエージェントにエンジニアとして入社、ソーシャルゲームのプロジェクトマネージャーやフレームワーク開発、ゲーム開発、動画メディア開発を手掛けた後に同社を退職。2017年7月 福岡市に発足した仮想通貨取引所『Mr.Exchange』(運営会社:株式会社ミスターエクスチェンジ)のCTO(Chief Technology Officer)に就任。2018年8月に同社を退職後、フリーランス活動を経て、合同会社暗号屋を設立して代表社員に就任。著書に『Web制作者のためのGitHub の教科書』がある。

【3Points of Key Person】

ビットコインなどの暗号資産を下支えするブロックチェーンに特化

◎ サイバーエージェント出身、仮想通貨取引所CTOを経て福岡で起業

◎ DXも視野にブロックチェーン技術の社会実装に取り組む

暗号理論がビットコインなどデジタル通貨を下支え

【画像】合同会社暗号屋 代表社員 紫竹佑騎

ビットコイン、ライトコイン、ネム、イーサリアム、リップル 、モナコイン、ステラルーメン、ベーシックアテンショントークン……。ビットコインに代表される、これらの暗号資産は、ブロックチェーンと呼ばれる暗号理論を用いたインターネット技術に基づくデジタル通貨だ。

「暗号資産とは、インターネット上で流通している〝お金〟といえる。特定の管理者が不在で、みんなで管理している」と、ブロックチェーンの技術開発を手掛ける合同会社暗号屋の紫竹佑騎代表社員は解説する。

ブロックチェーンそのものについて、紫竹代表によると、「インターネット上にある分散型〝台帳〟といえる。改ざんできない仕組みになっており、みんなで管理しているのでフェアなやり取りが可能だ。ブロックチェーンによるアプリケーションの一つが、暗号資産であるビットコインになる」という。

暗号資産の仮想通貨取引所における取り引きの円滑化を目的にして、一般投資家が参画可能な分散型による流動性供給システム『Choja』を開発した紫竹代表は、「暗号資産の仮想通貨取引所において技術責任者をしていた経験もあり、今後10年足らずで広く社会に浸透していくブロックチェーンの技術について詳しい上に先陣を切って社会実装に取り組んでいるのが強み」とする。

「暗号資産を投資ツールとした金融サービスであるChojaをわれわれのようなベンチャー企業が開発できたのもブロックチェーンの技術があってのことだ」と考える紫竹代表は現在、ブロックチェーンを用いた大規模プロジェクトを東証1部、同2部の上場企業と立ち上げて、共同事業として取り組んでいるそうだ。 

また、ブロックチェーンを応用した〝デジタル証明書〟を技術的に可能したNFT(Non Fungible Token)を用いて、「容易に複製できるデジタルアート作品や電子映像などの〝真の購入者〟を確定させることで作品の売買が可能になり、デジタルアーティストの〝稼ぎ口〟をつくりたい」との事業構想を紫竹代表は練る。

サイバーエージェント出身、元仮想通貨取引所CTO

【画像】合同会社暗号屋 代表社員 紫竹佑騎

「子どもの頃にインターネットと出会い、その面白さにひかれ、自分の世界が広がった」と、目を細める紫竹代表の自宅にパソコンが登場したのは中学校2年生の時だった。そして、電子掲示板『2ちゃんねる』に夢中になった紫竹少年は、仲間うちで情報を共有するWebサイトもつくったそうだ。

大学で情報工学を学び、大学院で情報学を専攻した紫竹代表は2010年4月、株式会社サイバーエージェントにエンジニアとして入社した。尊敬する人物として、サイバーエージェント創業者の藤田晋社長を挙げる紫竹代表は、ゲーム開発をはじめ、動画メディア開発やフレームワーク開発などを手掛け、さらに社長直属事業であるソーシャルゲーム開発のプロジェクトマネージャーも務めた。

同社で多岐にわたるキャリアを積んだ紫竹代表は、「面白くて楽しい職場だった。しかし、インターネットが20年足らずで広く一般化して飽きを感じた頃にインターネットよりも面白いモノをみつけた」のが、ブロックチェーンだった。

「ブロックチェーンで最先端のビジネスができる。それは、かつてのインターネット勃興期にも似ている」と確信した紫竹代表は2017年7月、福岡へ移り住んで暗号資産取引所『Mr.Exchange』のCTO(最高技術責任者)に就任して設立や運営を手掛けた。

もっとも、「Web会社と同じような感覚で事業を始めたら、金融業としての金融庁からのいろいろな指導があって大変だった」と、紫竹代表は明かす。そして、同取引所自体は2018年3月、福岡財務支局からの業務改善命令を踏まえて、仮想通貨交換業登録申請を取り下げた。

「日本で仮想通貨取引所のライセンスを維持することの難しさを痛感した。結果的には失敗したものの、個人的には貴重な経験になった。取引所の運営を通じて、ブロックチェーンに対する見識が高まり、ビジネスの作り方がわかって、さらに会社を経営していく上での自信にもつながっている」とする紫竹代表は取引所退職後、大手ネット証券会社をはじめ東京からのオファーも多かったそうだ。

「あらためて、ブロックチェーンに関連した仕事の多さを実感した。そして、東京へ戻るよりも暮らしやすい福岡に住みながら、働き続けたい」と考えた紫竹代表はフリーランスとして活動した後、合同会社暗号屋を設立した。

ブロックチェーン技術を社会に実装させていく

【画像】合同会社暗号屋 代表社員 紫竹佑騎

「ブロックチェーンは今後、企業間におけるデータや情報をやりとりする際のコミュニケーション基盤、つまり共通言語にもなり得る」と考える紫竹代表は、「ブロックチェーンを用いてフェアなやり取りができ、信用性も高いので、データをやりとりするDX(デジタルトランスフォーメーション)にも応用しやすい。ブロックチェーンについて、何なりと尋ねてほしい」と語る。

《ブロックチェーン技術が拓く新しい経済活動を産み出し、社会実装する》ことを事業方針として打ち出す紫竹代表は、好きな言葉として、「無理を通して道理を蹴っ飛ばす!」(天元突破グレンラガンのカミナ)を挙げる。《立志編》から始まる物語は、《風雲編》、《怒涛編》を経て、《回天編》への中央突破を目指す。

DATA

名 称:合同会社暗号屋

住 所:福岡市中央区大名1-3-41 プリオ大名ビル2F

創 業:2019年2月27日

代表者:代表社員 紫竹佑騎

事 業:Webコンサルティング、サービス開発

URLhttps://www.ango-ya.org/

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