【人物図鑑】士業スクラムによる中小企業向け事業承継・M&Aで地域活性化にトライ

【画像】福岡事業承継・M&Aセンター 代表
安部中小企業診断士事務所 所長 安部欽也

福岡事業承継・M&Aセンター 代表
安部中小企業診断士事務所 所長
安部欽也

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安部中小企業診断士事務所 所長 安部欽也
福岡事業承継・M&Aセンター 代表
安部中小企業診断士事務所 所長
安部欽也

【あべ・きんや】
福岡市出身、1965年3月8日生、福岡県立福岡高校卒~明治大学卒。1987年4月積水ハウス株式会社に入社。入社後、最優秀新人賞を皮切りに約6000人の営業担当者の中で九州1位、全国2位などの営業成績を上げる。建築・不動産コンサルティング営業を通じて住宅・共同住宅・商業施設等・病院などの建築工事受注や資金調達で100億円以上を売り上げた実績によって、41歳で当時の西日本地区で最年少の営業部長に就任。経営全般を勉強するために中小企業診断士の資格を取得、関連会社や下請け企業などの経営指導に取り組む。2011年4月に安部中小企業診断士事務所を開設して、代表に就任。2010年4月NPO法人日本FP協会福岡支部幹事、2012年9月NPO法人九州新公共支援ネットワーク 理事、2014年4月一般社団法福岡県中小企業診断士協会常任理事、2016年4月同協会副会長に就任。趣味はゴルフ、マリンスポーツ。

【3Points of Key Person】

◎士業集団による福岡事業承継・M&Aセンターの代表を務める
◎積水ハウスのトップセールスマンが中小企業診断士になる
◎花園出場のラガーマンが中小企業診断士の新たな事業モデルに挑む

士業による中小企業のための事業承継・M&A機関として活動

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 安部中小企業診断士事務所 所長
安部欽也

「我が国企業のM&Aの件数について(株)レコフデータの調べによると、2017年に3000件を超え、過去最高となっている」「中小企業のM&A成約件数は、2012年に比べて2017年では3倍超となっている」(『中小企業白書』2018年版)。
中小企業庁が、中小企業の事業引き継ぎとともにベンチャー型事業承継などの経営革新を目指して『事業承継5ヶ年計画』を策定した2017年に発足したのが、福岡事業承継・M&Aセンターだ。

「福岡事業承継・M&Aセンターは、事業承継やM&Aによる中小企業の存続・活性化や地域経済への貢献を目指して、弁護士や公認会計士、弁理士、司法書士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士などの専門性と高い志を持つ士業が集まって、福岡県中小企業診断士協会を母体に誕生した」
同センターの代表であり、一般社団法人福岡県中小企業診断士協会の副会長でもある安部欽也・安部中小企業診断士事務所所長は、発足の経緯を説明する。

「福岡事業承継・M&Aセンターでは、事業承継支援事業、M&A支援事業、事業承継やM&A支援者の養成講座の3つの事業を手掛ける。事業承継支援では計画策定から実行支援、後継者不在時の出口戦略としてM&Aを提案している。そのM&A支援では戦略策定から折衝・クロージングに加えて、成立後の統合プロセスであるPMI支援も手掛ける。一方、事業承継・M&A支援者として一般資格『事業承継・M&Aアドバイザー』と上級資格『事業承継・M&Aコンサルタント』の養成講座を開設し、前者は既に100人を突破した」と、安部代表は現状を報告する。

福岡事業承継・M&Aセンターは大手M&A会社と一線を画し、売上規模で10億円〜1億円前後のスモールM&Aを手掛ける。譲渡企業については各士業の業務上で依頼されることが多いという。最近、信用金庫をはじめとする地域金融機関からの依頼も増え、2019年11月に筑後信用金庫と事業承継・M&A支援の連携協定を結んだ。
センター開設後、講座を担当する士業講師18人で40ないし50件の事業承継やM&Aを成約させているそうだ。
安部代表自身が手掛けたM&Aの中でも社歴70年超の4代目社長から廃業の相談をされた際にM&Aを提案して、士業集団によるワンステップサービス機能を生かして、わずか3カ月のスピード制約した案件は、「経営者本人からも大いに感謝されて、個人的にも感慨深い仕事だった」と目を細める。

大手住宅会社のトップ営業マンが中小企業診断士に転身

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 安部中小企業診断士事務所 所長
安部欽也

「将来的に建設・不動産分野で起業したい」と考えた安部代表は、大卒後の就職先として積水ハウス株式会社を選んだ。
入社後、最優秀新人賞を皮切りに約6000人の営業担当者の中で九州1位、全国2位などの営業成績を上げる。
法人や富裕層を対象とした建築・不動産のコンサルティング営業を通じて、住宅や共同住宅、商業施設等、病院などの建築受注や資金調達で総額100億円を超えた41歳の時、同社の西日本地区で最年少となる営業部長になった。
就任後、自己啓発も兼ねてチャレンジしたのが、中小企業診断士の資格取得だった。中小企業診断士は、5年ごとの資格更新で実務実績を問われる。
このため、安部代表は、「下請け企業や取引先などを対象に無料で経営支援をやってみて、面白い仕事だと実感した」

地元・福岡から本社への転勤を打診された際に中小企業診断士としての脱サラ・独立を決意した。
もっとも、中小企業診断士事務所を構えたにも関わらず、「会社がなかなか辞めさせてくれなかったこともあって約1年間、会社員として働きながら、公休日の火曜日・水曜日に先輩の中小企業診断士のカバン持ちとして無給の丁稚奉公したことが独立後、大いに役立った」と、安部代表は目を細める。
本格的に独立開業すると、長年の営業経験やマネジメント実績に加えて、不動産・建設業界に強いことも強みとなった。
そして、ファイナンシャルプランナーとしての知識も活用しながら、地元の中小企業を対象にマーケティングや販売戦略、経営戦略などの経営支援や資金調達支援、人材育成のサポートで多忙な日々を過ごす。

花園出場経験もある元ラガーマン、新たな診断士モデルに挑戦

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 安部中小企業診断士事務所 所長
安部欽也

「大切な仲間と一緒にスクラムを組んでの中小企業の事業承継やM&Aを通じて、地域活性化に向けて奮闘している」と語る安部代表は、国鉄マンだった父親が門鉄ラグビー部の選手だったこともあり、子どもの頃の遊び場がラグビー場だった。
ラグビーを本格的に始めたのは福岡高校でのラグビー部への入部後だったものの、3年連続で花薗出場を果たした。後年、TBS系ドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルとなった伏見工業高校の全盛期に安部代表もグラウンドを駆け抜けた。
「ラグビーでは肉体面とともに精神面も鍛えられた。ノーサイドの精神をはじめ、ONE FOR ALL, ALL FOR ONE.(一人はみんなのために、みんなは一人のために)の精神、個より組織を重んじる自己犠牲の精神を学んだ」と、安部代表は振り返る。

好きな言葉として、『凡事徹底』『一期一会』とともに高村光太郎の『道程』「僕の前に道はない、僕の後ろに道は出来る」を挙げる安部代表は、「日本経済を支えている中小企業の経営者の方々には、もっと中小企業診断士について理解いただき、有効活用してほしい」「経営者は孤独であり、腹を割って相談できるようにしていく。そのためにも、税理士のように各社に中小企業診断士が顧問や社外取締役に就くビジネスモデルをつくっていきたい」との思いを抱きながら、新たなゴールに向けてトライし続ける。

DATA

名 称:一般社団法人福岡県中小企業診断士協会 福岡事業承継・M&Aセンター
住 所:福岡市博多区博多駅東2-9-25 アバンダント84ビル 2F
設 立:2017年7月
代表者:代表 安部欽也
事 業:事業承継支援事業、M&A支援事業、事業承継やM&A支援者の養成講座
URLhttps://f-bsma.jp/

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