【人物図鑑】アメリカンフットボールでの新たなスポーツ文化創造を目指す

【画像】一般社団法人福岡SUNS 代表理事兼チーム主将
吉野至

一般社団法人福岡SUNS
代表理事兼チーム主将
吉野至

【画像】一般社団法人福岡SUNS 代表理事兼チーム主将 吉野至
一般社団法人福岡SUNS
代表理事兼チーム主将
吉野至

【よしの・いたる】
1988年9月27日生、大阪府東大阪市出身。関西大学第一高校卒~関西大学システム理工学部卒。2009年12月関西大学アメリカンフットボール部『カイザーズ』で学生日本一を成し遂げる。2011年4月ロート製薬株式会社に入社、福岡支店に勤務。同年西南学院大学アメリカンフットボール部『グリーンドルフィンズ』のキッキングコーディネーターに就任。2013年同部ヘッドコーチ兼キッキングコーディネーターに就任、2017年同部監督に就く。2017年6月一般社団法人福岡SUNSを設立して、代表理事に就任。現在、『みらいふ福岡SUNS』のチーム主将も務める。

【3Points of Key Person】

◎アメリカンフットボールのXリーグ加盟の福岡SUNS 代表兼チーム主将
◎学生日本一を経験、西南大アメフト部監督、福岡SUNSを立ち上げる
◎アメリカンフットボールの価値を高めて、新たなスポーツ文化を目指す

アメリカンフットボールの日本伝来100周年、地元チームとしての『X1 Super』昇格を狙う

【画像】一般社団法人福岡SUNS 代表理事兼チーム主将 吉野至

アメリカンフットボールが日本へ伝来して2020年で100周年を迎える――。地元・福岡出身で『平和台』名付け親であり、日本の近代スポーツ界の功労者・岡部平太が、留学先のシカゴ大学から帰国した1920年に旧制第一高校(現東京大学教養部など)や東京高等師範学校附属中学校(現筑波大学附属中学校・高校)の学生にアメリカンフットボールを教えた。
その後、立教大学や明治大学、早稲田大学が参加した東京学生米式蹴球競技連盟(現日本アメリカンフットボール協会)が、1934年に発足して同年11月、明治神宮外苑競技場で日本初の公式戦が開催した。

「アメリカンフットボールを日本でもメジャーなスポーツにしていきたい。そして、チームとしても日本一を目指しており、九州にアメリカンフットボールの文化を根付かせていくことで地方での成功事例になるように頑張っている」
社会人アメリカンフットボールリーグのXリーグに加盟する『みらいふ福岡SUNS』のチーム主将を務める吉野至一般社団法人福岡SUNS代表理事は意気込みを語る。

2017年2月に誕生した福岡SUNSは当初、『オーパーツ福岡SUNS』として同年のX3リーグウエストで優勝し、X2リーグに昇格した。2018年にX2リーグウエストで優勝。同年12月の入替戦を制してX1 Areaへの昇格を決めた。
2019年4月、メーンスポンサーの変更でチー厶名を『みらいふ福岡SUNS』とした。そして、2020年4月には、プロ選手の栗原嵩氏とお笑いタレントのコージ・トクダの加入を発表して話題となった。
「アメリカでは、アメリカンフットボールはエンターテインメントの高いプロスポーツとして成立している。これまで日本のアメリカンフットボール界にスター選手がいなかったが、これからは彼らを火付け役に新たなムーブメントを巻き起こしていきたい」と語る吉野代表は現在のX1リーグで実質的に2部リーグにあたる『X1 Area』から同1部リーグの『X1 Super』への昇格を狙う。

関大で学生日本一、西南大アメフト部を常勝軍団に育て上げ、リーグ加盟の地元チームを立ち上げる

【画像】一般社団法人福岡SUNS 代表理事兼チーム主将 吉野至

アメリカの4大プロスポーツである野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケーの中でも一番人気は、プロリーグのNFL(ナショナルフットボールリーグ)を擁するアメリカンフットボールだ。
「大学3年生の時にアメリカンフットボールで学生日本一になって、スポーツを通じての幸せや感動などを体験できた。そして、この経験があるからこそ、いまも頑張り続けることができる。アメリカンフットボールには、感謝しており、盛り上げていくことで恩返しをしていきたい」と語る吉野代表は高校時代にアメリカンフットボールと出会って、2010年12月関西大学アメリカンフットボール部『カイザーズ』の一員として、学生日本一を成し遂げた。

卒業後も吉野代表は社会人選手として続けていくつもりだったが、入社しての赴任先はアメリカンフットボールの先進地である関東・関西でなく、後進地ともいえる九州・福岡への勤務だった。
失意の赴任となったものの、西南学院大学アメリカンフットボール部『グリーンドルフィンズ』に関わり始める。そして、キッキングコーディネーター就任を皮切りに吉野代表はヘッドコーチ兼任、監督として同部を九州学生アメリカンフットボール連盟の常勝チームに育て上げて現在、6連覇中だ。
「就任時は、九州のアメリカンフットボールのレベルはまだ低く、西南大も弱かった。アメリカンフットボールは〝戦術のスポーツ〟と言われており、コーチの存在が大きく、基礎から徹底してやり直して継続的に指導できた点が、6連覇の要因になっていると思う」と、吉野代表は分析する。

もっとも、吉野代表自身も入社6年目に念願だった大阪転勤の辞令が出たものの、福岡で引き続き西南大アメリカンフットボール部監督を続ける決断をした吉野代表は、地場企業へ転職した。
そして、「九州におけるアメリカンフットボールのレベルアップとともに、卒業生や転勤で福岡へ来た選手らの受け皿となる地元チームが必要だ」と考えた吉野代表は、福岡SUNSの創部に向けて奔走した。

アメリカンフットボールの価値を高めていく

【画像】一般社団法人福岡SUNS 代表理事兼チーム主将 吉野至

「アメリカンフットボールの場合、高校や大学から始める選手が多く、〝スポーツ界のセカンドキャリア〟とも言われがちだ。実は、他のスポーツで挫折した者たちが、集まったスポーツという側面もアメリカンフットボールは持っている」と明かす吉野代表自身、元々サッカー選手だった。けがのためにサッカーを断念して、アメリカンフットボールへ転向した経験を持つ。

チーム主将として背番号6を身に付けてグラウンドに立つ吉野代表は、「福岡の新しいチームである福岡SUNSの存在を知っていただきたい。プロ選手に共にタレントも所属しているので、単に試合を見るだけでなく、試合会場をエンターテインメント空間として楽しんでもらいたい」とアピールする。
「ぜひ一度、試合へ足を運んでほしい。そして、《また来たいと思える》ような内容の試合会場にしていくので、楽しみにしていただきたい」とする吉野代表は、アメリカンフットボールの価値向上というゴールへのタッチダウンに向けて駆け抜ける。

DATA

名 称一般社団法人福岡SUNS
住 所:福岡市博多区博多駅東1-12-17
設 立2017年6月5日
代表者:代表理事 吉野至
事 業:アメリカンフットボールチーム『みらいふ福岡SUNS』の運営など
URLhttps://www.fukuoka-SUNS.com/

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