【人物図鑑】福岡・横浜の二拠点で地元の中小企業をパーパスブランディングとDXで支援

【画像】ふくおか人物図鑑

HIZASHI Lab(ヒザシラボ)
代表
松本裕介

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【まつもと・ゆうすけ】
横浜市出身、1963年3月21日生、上智大学経済学部卒。1986年4月株式会社博報堂に入社、マーケティングディレクターとして自動車や飲料、食品、住宅、保険などの業種・業態での企業向けマーケティングやブランディング業務に従事。商品開発やコンテンツ開発、事業開発、企業経営コンサルティングなどを手掛ける。2011年博報堂新しい大人文化研究所を設立。2012年博報堂九州支社にマーケティング部長として赴任。2016年博報堂生活総合研究所客員研究員を兼任、2017年九州しあわせ共創ラボを設立して所長に就任。博報堂九州支社長代理兼MD局長、株式会社九州博報堂フェローを経て、2023年3月に同社を退職。2023年11月に『HIZASHI Lab』を創業。中小企業診断士、ITコーディネータの資格を有する。

【3Points of Key Person】

◎ 定年退職後にシニア起業、福岡と横浜の二拠点で活動する
◎ 博報堂時代に商品・事業開発を手掛け、TV・ラジオ番組を立ち上げる
◎ パーパスブランディングとDX推進支援で中小企業を応援していく

「中小企業の『パーパスブランディング×DX』推進をサポート」

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2022年173.0万人━━。
総務省統計局『就業構造基本調査』において、前職の離職理由を「定年のため」とした定年退職者は、先述の数字だった。
一方、厚生労働省『令和4年簡易生命表』によると、60歳時点での平均余命は、男性23.59年・女性28.84年であり、還暦後の人生も相当長い。
このような時代背景もあり、定年退職後に起業する、いわゆる〝シニア起業家〟の道を選ぶ人も多い。
『中小企業白書』2017年版によると、起業家全体に占める60歳以上のシニア起業家の割合は、2012年時点で男性35.0パーセント・女性20.3パーセントであり、男女共に増加傾向にあるということだ。

「福岡に転勤して来てから、中小企業関連業務を手掛けていく中で、退職後は中小企業をもっと元気にしていきたい、という思いが生まれ、創業という選択肢を選んだ」
株式会社博報堂に入社以来、幅広くマーケティング業務や事業・商品ブランディング業務を手掛け、博報堂九州支社長代理や株式会社九州博報堂プラニング局長、同フェローを歴任して定年退職後、2023年11月にHIZASHI Lab(ヒザシラボ)を創業した松本裕介代表は、シニア起業の経緯を明かす。

中小企業診断士とITコーディネータの資格を保有する松本代表は、「ブランディングとDXで中小企業を未来の光に」をHIZASH Labのパーパスとして掲げている。
「VUCAという将来予測が困難で、全ての組織が否応なく変化を求められるこれからの時代に、社会における明確な自社の存在意義を掲げ、これを基盤としたブランド戦略を展開する『パーパスブランディング』と、デジタル技術を活用しながら迅速かつ柔軟にパーパスを具現化していくための『DX』の推進が、中小企業の持続的成長を牽引する両輪になる」との思いを膨らませる。
『パーパス』(Purpose)とは「目的、意図、意義」を意味する言葉であり、ビジネス上では、「存在意義」を指す。
ビジョンが「自社が将来目指すべき理想的な状態や目標」を示すのに対して、パーパスは、自社は「社会にどのような“よいこと”を増やしていく(存在な)のか」の宣言だ。

「九州に赴任して以来、数多くの中小企業経営者と出会い、経営のことだけではなく、従業員や社会、地域に対する熱い志や思いをたくさん語ってもらったが、それらを社内で共有できていない、事業や社内外施策として具現化できていない、社外にも発信できていない企業が数多くあることは実にもったいないと考えていた」
松本代表は、「我々がサポートすることで、中小企業自らが、日本や地域の未来を照らす〝日差し〟になってもらいたい、という思いを屋号にした」ことを明かす。
松本代表は現在、中小企業診断士として福岡市中小企業サポートセンターで毎月、経営相談を担当している一方、福岡県中小企業振興センターでは自動車部品メーカーのマーケティング支援を手掛けている。
また、福岡や横浜に限らず民間企業に出向き経営支援を実践している。直近では、食品のFCを全国展開している東京本社の企業のブランディングから店舗活性化のための具体戦術までを支援した。

大手広告代理店でマーケティングなどを手掛け、赴任地・福岡にはまる

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大学3年時、雨の中を子犬が走り回るウイスキーのテレビコマーシャルを見て感動した松本代表は、「こんな作品を自分でもつくってみたい」と、広告業界への就職を志した。
後に該当のCMが、サントリー不朽の名作『雨と犬』だったと知る。

卒業後、博報堂に入社した松本代表は適性検査の結果、クリエイティブ部門ではなく、マーケティング部門に配属されることになった。
そして博報堂では、自動車や飲料、食品、住宅、保険など幅広い業種・業態において、マーケティングやブランディングなどを手掛けた松本代表は、「入社以来300社を優に超える企業を担当した。新しいコトやモノをつくることが好きであり、商品開発や事業開発、新規コンテンツづくりなども手掛けてきた」と振り返る。
この間、TBS系の料理バラエティ番組『チューボーですよ!』やTOKYO FM制作のサントリーサタデーウェイティングバー『AVANTI』などの立ち上げに関わったことも松本代表にとって、懐かしい思い出になっている。

サラリーマン時代に長年、北海道勤務を希望していた松本代表に対して会社から下った内示は、九州勤務だった。
転勤時、母親から熊本県人吉市出身の父が子どもの頃に福岡で暮らしていたことを聞かされたという松本代表は、「赴任1日目で福岡が、すっかり大好きなまちになった。そして、会社をリタイアした後も地元の中小企業やベンチャー企業の人たちを応援していくことを通じて、さらに元気になってもらうような活動に取り組んでいきたいと思った」と振り返る。



「DXは経営戦略実現の〝エンジン〟であり、新たな企業価値を創出する」

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「DXは単なるIT化、デジタル化ではない。経営戦略を実現・実践していくための強力な〝エンジン〟がDXだ。DXはデジタル化に始まり、デジタルによる業務効率化へ進み、さらに新しい企業価値の創出まで目指していく」と、松本代表は、還暦を迎えた後に新たなスタートを切っている。

「私自身も、もっといろいろ勉強して、中小企業の皆さんと一緒に汗を流していきたい」と、笑顔をみせる松本代表にとって長年、座右の銘とする名言は、19世紀のアメリカで実業家として活躍したサミュエル・ウルマンの言葉だった。
「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うときに初めて老いが来る」

DATA

名 称:HIZASHI Lab(ヒザシラボ)
住 所:福岡市早良区西新4-7-8-804
設 立:2023年11月
代表者:代表 松本裕介
事  業:セミナー・ワークショップ、中小企業診断士、ITコーディネータ
URL:http://www.hizashi-lab.jp/

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