【人物図鑑】暴排・被害者救済にトライ、より良い企業へ経営者とスクラム
弁護士法人堀内恭彦法律事務所
代表弁護士
堀内恭彦
【ほりうち・やすひこ】
1965年生、福岡市出身、福岡県立修猷館高校卒~九州大学法学部卒。司法試験合格、最高裁判所司法研修所で2年間の研修後、福岡市で弁護士登録(登録番号25259)。勤務弁護士を経て、2003年4月に独立し、堀内恭彦法律事務所を設立。企業法務を中心に民事・刑事など幅広く事件を手掛け、特に、暴力団・反社会的勢力対策や企業や個人に対する不当要求・脅し・嫌がらせ・クレーマー対策に力を入れている。日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会副委員長、九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会委員長などを歴任。数多くの講演・セミナーで講師を務め、テレビ・ラジオ出演、産経新聞でコラムを連載するなど多方面で活躍。趣味はラグビー、ゴルフ。九州ラグビーフットボール協会理事、元九州大学ラグビー部監督。座右の銘は「克己」。
【3Points of Key Person】
◎ 企業法務を中心に長年、民事介入暴力対策を意欲的に手掛ける
◎ 高校時代にラグビーを始めて、自由度の高い弁護士を選ぶ
◎ 企業法務を通じて経営者のサポート・貢献を目指す
定食屋を好例にサービス業としての弁護士を考える
「弁護士とは、法律を使ったサービス業である」を持論とする、弁護士法人堀内恭彦法律事務所の堀内恭彦弁護士は、「例えば、良い定食屋の〝速い・うまい・安い〟というビジネスモデルを弁護士に置き換えると、〝迅速・的確・明確な料金設定〟になる」と説く。
堀内恭彦法律事務所では、契約書の作成・チェックや債権の管理・回収、人事・労務問題、コンプライアンス指導、企業倒産・企業再建などの企業法務を中心に民事・刑事を問わず幅広く事件を手掛け迅速な対応に努める。
《地場の中小企業の力になりたい》との考えで顧問料も利用しやすい価格に設定する堀内弁護士は、「顧問先は大企業だけでなく、地方ならではのオーナー経営の中小企業もあり、オーナー一族の相続や離婚、金銭問題などを手掛けることも多い」と明かす。
「これからの時代は専門性を持った弁護士が強い」とする堀内弁護士が、これまで力を入れてきたのが民事介入暴力対策だ。
日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会副委員長や九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会委員長などを歴任した堀内弁護士は、「企業法務を中心に、暴力団や反社会的勢力、不当要求・クレーマーなどから企業を防衛し、被害者を救済する活動に長年取り組んできた」と、落ち着いた口調で語る。
ラガーマン弁護士が民暴対策・被害者救済にトライ
「ラグビーは過酷で激しいスポーツだが、それぞれの個性を尊重しながら、集団をまとめて力を発揮していく。仲間づくりとして最適なスポーツだ」と破顔一笑の堀内弁護士は、高校時代からラグビーに打ち込んだ。
大学時代にラグビー九州学生代表に選ばれ、後に九州大学ラグビー部監督も務めた。
「世の中には、理不尽なことで苦しんでいる人がいる」「放っておいていいのか?」「法の力で救済できることはないか?」。
ラグビー一色だった学生時代から素朴な正義感を抱いていた堀内弁護士は、「サラリーマンには向いていない。資格を取ろう」との思いもあって挑戦したのが司法試験。
当時は、違法な高利貸しやヤミ金融による被害が社会問題として騒がれていた時代でもあった。
「元々は検察官志望だったが、検察官は公務員であり、公的組織には向かないと考えて、自由に動ける弁護士を選んだ」と語る堀内弁護士は、司法試験合格後、最高裁判所司法研修所に入所。
研修所では、元大阪府知事・元大阪市長の橋下徹弁護士と同期で、ラグビーサークルを作って共に過ごした仲だ。橋下弁護士の大阪府知事選挙への初挑戦に際しては、かつての仲間で寄せ書きを贈ったそうだ。
修習を終えて福岡県弁護士会に登録をした堀内弁護士は早速、弁護士会の民事介入暴力対策委員会に所属した。
しかし,当時は法律の不備に加えて、社会の暴排意識も低い時代であった。
「その頃、暴力団被害の案件は誰もが嫌がり、取り組む弁護士は少なかった」「先輩弁護士や全国の有志と連携しながら法令や裁判例を研究するなど、被害者救済に向けて創意工夫を重ねた」と堀内弁護士は語る。
福岡市内の法律事務所での勤務弁護士時代を経て、堀内弁護士は2003年4月、『堀内恭彦法律事務所』の看板を掲げた。「独立する上では、民事介入暴力に特化して取り組みたいとの思いも強かった」と、堀内弁護士は開設時を振り返る。
その後も、暴力団事務所の撤去訴訟、被害者救済のための損害賠償請求訴訟、不当要求の排除などに精力的に取り組んできた。
しかし、過去には民事介入暴力の被害者からの依頼案件で、暴力団側を排除することに成功しそうになりながらも、依頼者が隠していたグレーな弱みを相手に突かれて依頼者自身が怖気づいてしまい、はしごを外された苦い経験もある。堀内弁護士は「恐怖感がぬぐえない依頼者をいかに守り抜くかということは、今も変わらぬ課題だ」と言う。
「最近は社会的にも暴排意識が高まり、以前より対応しやすくなった。今後は、民事介入暴力にとどまらず、詐欺的手法や巧妙な資金獲得活動など新たな犯罪による被害者の救済にも取り組んでいきたい」と決意を新たにする。
より良い企業経営に向けて多方面で情報を発信
2001年3月31日時点1万8243人、2019年同4万1118人、2046年推計6万3789人――。日本弁護士連合会発行『弁護士白書2019年版』によると、過去18年で2.3倍に増えた弁護士人口は、今後の27年間でさらに1.5倍へ膨れると予想されている。
法科大学院開校、新司法試験への移行、法テラス業務開始、裁判員制度の導入、司法修習制度の変更、弁護士広告の規制緩和……。1999年から始まった、一連の司法制度改革は司法試験合格者数の激増という結果をもたらした。
今後、弁護士界においてもマーケティング的な発想やビジネスセンスが求められる状況になっていくと考えられる。
「これからは弁護士をもっと活用していく時代になる。より良い企業経営をサポートできるよう貢献していきたい」とする堀内弁護士は〝顔の見える〟弁護士を志向し、多くの講演・セミナーで講師を務める傍ら、テレビ出演や新聞でのコラム連載、インターネット上でのソーシャルネットワークサービスやコミュニティーラジオを用いた情報発信にも力を入れている。
民事介入暴力案件をはじめ幾多の修羅場をくぐり抜けてきた堀内弁護士は、変わりゆく法曹界というグラウンドにおいて、新たなトライに向けて駆け抜ける。
DATA
名 称:弁護士法人堀内恭彦法律事務所
住 所:福岡市中央区赤坂1-13-10 赤坂有楽ビル8F
設 立:2003年4月
代表者:弁護士 堀内恭彦
事 業:弁護士業務全般
URL:https://horiuchi.law/
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