【人物図鑑】〝国際人財〟育成から始まる、地域活性化へのマイ・ウィッシュ

【画像】NPO法人Heart・full Pro. 理事長 荒巻琴美

NPO法人Heart・full Pro.
理事長
荒巻琴美

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NPO法人Heart・full Pro.
理事長
荒巻琴美

【あらまき・ことみ】
1970年1月10日生、福岡県中間市出身、福岡県立八幡南高校卒~ガズデン・ステート・コミュニティ・カレッジ卒(アメリカ・アラバマ州)。1992年株式会社ジオスに入社、1996年ジオス西日本支社長、1997年株式会社ジオス・サテライト社長に就任、1998年ジオスグループ13社の役員に就く.。その後に同社を退社して、福岡県中間市へ帰郷、1999年にT.L.C.英会話を開設。2005年3月有限会社ハースサイドランゲージスクールを設立、同月シニアコミュニティ『シニアクラブ』を開講。2013年5月NPO法人Heart・full Pro.を設立して、理事長に就任。2012年10月ハース式才能教育『スーパーキッズコース』、2013年04月受験対策『スーパー英語塾』を開講。2016年NPO法人中間市観光まちづくり協議会理事に就任。2017年04月学童保育・寺子屋式子育ち支援学習塾『ハース未来塾』を開設。2019年04月プログラミングスクール『ハースLab.』を開設。2019年11月悠和パートナーズ合同会社を設立して、外国人労働者・留学生受け入れサポート機関を開設。

【3Points of Key Person】

◎北九州都市圏の中間市でコミュニケーション重視の語学スクールを経営
◎高校卒業後に米国留学、ジオス子会社社長など13社の役員、帰郷して創業
◎〝国際人財〟教育やギフテッド教育などを通じて地域の活性化を図る

北九州近郊に異色の語学〝コミュニティー〟スクール

【画像】NPO法人Heart・full Pro. 理事長 荒巻琴美

英語、中国語、韓国語、日本語、フランス語、アラビア語、トルコ語――。
北九州都市広域圏に位置する中間市の主要駅である筑豊通谷駅の近くで『ハースサイドインターナショナルスクール』を経営するNPO法人Heart-full Pro.の荒巻琴美理事長は、「今後、さらに国際化していく社会においては発信力やリーダーシップが、ますます重要になっていく。コミュニケーション能力を磨くことによって、空気を読む力や人の気持ちをくみ取る力、時代を見通す力などを身に付けてほしいと願っており、私たちも〝AIに負けない人財〟育成に取り組んでいる」と、優しいまなざしで語る。

2005年3月に創業した同スクールでは語学教育をはじめ、子ども向け才能教育やプログラミング教育、スーパー受験英語塾、出張レッスン、企業研修、資格取得対策(当校は英検・TOEICなどの準会場)、面接対策講座、ホームスティ・留学カウンセリングなど幅広く手掛ける。
「地域で何ができるかを考えて、まずは教育格差の是正をめざしていきたい」と、前向きな荒巻理事長は、暖炉・家族団らんの傍らを意味するハースサイドを冠した語学スクールにおいて、日本人・外国人共に生徒の人生に長く寄り添ってもらうための雇用システムをはじめ、自主性・協調性・達成感をベースにした発見学習法、教師によるクラス担任制、教育カウンセラー導入など独自のカリキュラムやメソッドで教育にこだわる。

かつて炭鉱の町として栄え、現在は北九州市のベットタウンである中間市には、北九州市の先端技術企業やグローバル企業に勤務したリタイア組も数多く暮らしており、彼らを対象とした『シニアクラブ』も創業時から開講中だ。中には、〝80の手習い〟で英語を学び直して、今なお13年余り通い続ける元経営者もいる。
「コロナ禍でオンライン学習も導入しているものの、自ら体験し、五感を磨くことで本物を見抜く力や思考力を養ってほしい」と考える荒巻理事長は、「地域に根差しながら、子どもたちからシニアまでが、大いに夢を語り合うリアルなコミュニケーションの場でありたい」との思いを募らせる。

米国留学やジオス子会社社長を経て、Uターン創業

【画像】NPO法人Heart・full Pro. 理事長 荒巻琴美

中学・高校時代、陸上競技に打ち込むスポーツウーマンだった荒巻理事長は卒業後、アルバイトを掛け持ちして留学資金を貯めた。そして、なるべく学費の安い学校を探した結果、留学先はアメリカ南部となった。
「留学経験が人生の転機になった。中近東からの留学生仲間が湾岸戦争に巻き込まれた家族を亡命させるために必死で準備していた。その当時、日本はバブル経済だったのに対して、アメリカは大不況だったため、お金目当てで日本人が狙われることも多々あった」「肌色での人種差別など理解不能なことも多く、価値観が大きく変わり、《本質は何か》を常に考えるように心掛けている」と、荒巻理事長は凛とした表情で語る。

実は高校時代、英語を苦手としたという荒巻理事長は、「これからの時代に必要な英語とコミュニケーション能力を実地で身に付ければ、何とかなる」との気概で渡米した。
両親と約束した留学期間は2年間だったため、最初の1年半で単位を取得した荒巻理事長は、車の修理工場やレストランでアルバイトした資金で残り半年をアメリカ各地を見て回るという行動力もみせた。

帰国後、英会話教室大手の株式会社ジオスに教室運営のマネージャー職として入社した荒巻理事長は、「実力主義で学びの多い職場だった。限られた予算で売り上げを伸ばす、いわば社長業であり、海外研修も含めた研修制度で磨く機会も多かった。何千人もの採用やマネージャーや教師・幹部の育成に携わらせてもらい、重責に押しつぶされそうになる時もあったが、世界中の多様で多彩な人脈に接し、異文化理解を深めることができた」
入社5年目に西日本支社長に就任した荒巻理事長は翌年、地域密着型教室を運営する株式会社ジオス・サテライトを立ち上げて、社長に就いた。その後、ジオスグループ13社の役員を兼任したが、体調を崩しての休養もあって退社した。帰郷して英会話塾を立ち上げ、飲食店経営も手掛ける。

「教師のクオリティや学習のカリキュラム、学びのメソッドに自信があったものの、まったくゼロからのスタートで何の看板もなかったので、私自身を信じてもらうしかなかった」というものの、「地域から世界へ」というスローガンの下、ジオス時代の仲間も駆け付けてくれた。
「最初、生徒の増え方は足し算だったが、そのうち口コミや紹介などで掛け算的に広がっていき、やはり地域性だと思う」と、荒巻理事長は目を細める。

〝国際人財〟育成を通じて、地域の活性化を志す

【画像】NPO法人Heart・full Pro. 理事長 荒巻琴美

アインシュタイン、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ……。「天から才能を授かった人」を意味する『ギフテッド』(Gifted)と呼ばれる人たちの存在は海外で知られ、アメリカの多くの州でギフテッド向けの教育を導入している。
一方、平等に能力を伸ばすことを基本にする日本でも250万人以上のギフテッドがいるとみられるものの、彼らの多くは発達障害やアスペルガー症候群などとみなされがちだった。
日本においても2017年に東京都渋谷区が公教育に初めてギフテッド教育を導入するなどの新たな動きをみられる中、荒巻理事長は、「私たちもギフテッド教育の研究・開発・普及に取り組んでいく」と、新たな挑戦を始めた。

「いろいろな人たちが関わる場を提供しながら、幼稚園~大学、企業・団体も巻き込みながら、中間市を〝国際交流のまち〟にしていきたい。そして、多彩なコラボレーションによってキャリア教育やギフテッド教育でも注目されて、世界の国々からもいろいろ人たちがやって来ることで地域の活性化にもつなげたい」との思いを膨らませる荒巻理事長が、「〝国際人財〟育成を目指す私にとって、国境や年齢を超えて、最も心が震えた言葉」として挙げるのは、2014年ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが国連でスピーチした一節だった。

One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.
(1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそが唯一の策です。エデュケーション・ファースト《教育が第一》)

DATA

名 称:NPO法人Heart・full Pro. (ハースサイドインターナショナルスクール)
住 所:福岡県中間市鍋山町1-1 グリーンハイツ1F
設 立:2005年3月(NPO法人認可2013年)
代表者:理事長 荒巻琴美
事 業:英会話・中国語会話・韓国語会話・日本語、他言語、スーパーキッズ、スーパー受験英語塾、出張レッスン、企業研修、資格取得対策、面接対策、ホームスティ・留学カウンセリング、翻訳・通訳、プログラミングスクール
URLhttps://hearthside-ls.com/

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